大阪大学 2025年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数
- 解法
- 定積分評価、部分積分、置換積分
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 22分
問題
次の問いに答えよ.
(1) t>0のとき
−t1<∫t2tx2sinxdx<t1
が成り立つことを示せ.
(2) t→∞lim∫t2txcosxdx=0を示せ.
(3) f(x)=sin(23x)sin(2x)とおく.
t→∞lim∫1txf(x)dx=21∫12xcosxdx
を示せ.
出典:大阪大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
(1)は積分そのものではなく絶対値を評価し,∣sinx∣≦1 から ∫t2tx−2dx=1/(2t) を使う。(2)は sinx/x を微分した形から部分積分し,端点項と(1)の積分に分けてどちらも 0 に近づくことを示す。(3)は積和公式で f(x)=21(cosx−cos2x) とし,u=2x の置換で第2項の区間を [2,2t] に直す。あとは [1,t] と [2,2t] の差を [1,2] と [t,2t] に分け,(2)で後者を消す。
解答
(1)
t>0 とする。t≦x≦2t では x>0 であり,∣sinx∣≦1 だから
∫t2tx2sinxdx≦∫t2tx2∣sinx∣dx≦∫t2tx21dx
である。右辺は ∫t2tx21dx=[−x1]t2t=2t1 であり,2t1<t1 である。したがって −t1<∫t2tx2sinxdx<t1 が成り立つ。
(2)
xsinx を微分すると (xsinx)′=xcosx−x2sinx である。よって xcosx=(xsinx)′+x2sinx であり,積分して
∫t2txcosxdx=[xsinx]t2t+∫t2tx2sinxdx
を得る。
第1項は
[xsinx]t2t=2tsin2t−tsint≦2t1+t1
なので t→∞ で 0 に近づく。第2項も(1)より絶対値が 1/t 未満であるから 0 に近づく。したがって limt→∞∫t2txcosxdx=0 である。
(3)
積和公式より f(x)=sin23xsin2x=21(cosx−cos2x) である。したがって
∫1txf(x)dx=21∫1txcosxdx−21∫1txcos2xdx
である。
第2項で u=2x とおくと,du=2dx,x=u/2 だから ∫1txcos2xdx=∫22tucosudu である。よって,t>2 として整理すると
∫1txf(x)dx=21(∫1txcosxdx−∫22txcosxdx)=21(∫12xcosxdx−∫t2txcosxdx).
(2)より limt→∞∫t2txcosxdx=0 であるから,両辺の極限を取って
t→∞lim∫1txf(x)dx=21∫12xcosxdx
を得る。