問題
を複素数とし,複素数に対して
とおく.は
を満たしながら動く.ただし,は虚数単位である.
(1) がとりうる値の範囲を求め,複素数平面上に図示せよ.
(2) であるとき,の値を求めよ.
出典:大阪大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
, と置くと,条件は二つの閉円板 , になる。 を の一次式で表し,二つの円板を回転・拡大して足した範囲を,中心 ,半径 の円板として読む。(2) は原点がちょうど境界上にある場合なので,三角不等式の等号成立条件から を一意に決める。
解答
(1)
とおく。条件は である。また だから である。この2式から を消去して を表すと となる。
ここで
である。したがって,三角不等式より である。
逆に,任意の複素数 が を満たすとき, で となるように,たとえば を と同じ向きに長さの比 で取ればよい。すると適当な が存在して を満たす。よって範囲は,複素数平面上で中心 ,半径 の円およびその内部である。
(2)
のとき,中心 から原点までの距離は であり,これは(1)の半径と等しい。したがって三角不等式で等号が成立し,二つの成分 はいずれも中心 から原点へ向かう向きに最大の長さをとる必要がある。
中心から原点へ向かう向きは の向きである。よって であり, となる。
したがって である。2式を引くと だから である。さらに より となる。