大阪大学 2007年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、相加相乗平均、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25〜30分
問題
次の問いに答えよ.
(1) xが正の数のとき∣logx∣≦x∣x−1∣を示せ.
(2) p,q,rがp+q+r=1を満たす正の数のときp2+q2+r2≧31を示せ.
(3) a,b,cが相異なる正の数を,a+b+c=1を満たすときb−aablogab+c−bbclogbc+a−ccalogca≦31を示せ.
出典:大阪大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
(1)は u=x と置き,u−u1−2logu の増減で x≧1 を示す。0<x<1 は 1/x に置き換えて同じ結果に帰着する。(2)は (p−q)2+(q−r)2+(r−p)2≧0 から平方和の下限を出す。(3)では,各対数項について log(b/a) と b−a の符号が同じであることを明記し,(1)を使って b−aablogab≦ab と押さえる。最後に p=a,q=b,r=c として(2)を使い,pq+qr+rp≦31 を導く。
解答
(1)
まず x≧1 の場合を考える。u=x とおくと u≧1 であり,xx−1−logx=u−u1−2logu である。そこで F(u)=u−u1−2logu とおく。すると F′(u)=1+u21−u2=u2(u−1)2≧0 である。また F(1)=0 なので,u≧1 では F(u)≧0 である。したがって logx≦xx−1 が成り立つ。
次に 0<x<1 の場合を考える。このとき 1/x>1 であるから,上で示した不等式を 1/x に適用すると logx1≦1/xx1−1=x1−x である。0<x<1 では ∣logx∣=logx1,∣x−1∣=1−x だから ∣logx∣≦x∣x−1∣ である。x≧1 の場合と合わせて,すべての正の x で示された。
(2)
p+q+r=1 より (p+q+r)2=1 である。また (p−q)2+(q−r)2+(r−p)2≧0 を展開すると 2(p2+q2+r2−pq−qr−rp)≧0 であるから p2+q2+r2≧pq+qr+rp である。さらに 1=(p+q+r)2=p2+q2+r2+2(pq+qr+rp) なので 1≦3(p2+q2+r2) となる。よって p2+q2+r2≧31 である。
(3)
正の数 a,b について,logab と b−a は同じ符号をもつ。したがって a=b のとき
b−aablogab=ab⋅∣b−a∣logab
である。(1)を x=ab に適用すると
logab≦b/aab−1=ab∣b−a∣
である。よって b−aablogab≦ab となる。
同様に
c−bbclogbc≦bc,a−ccalogca≦ca
である。したがって示すべき左辺を L とすると L≦ab+bc+ca である。
ここで p=a,q=b,r=c とおくと,条件より p+q+r=1 である。また ab+bc+ca=pq+qr+rp である。さらに 1=(p+q+r)2=p2+q2+r2+2(pq+qr+rp) であり,(2)から p2+q2+r2≧31 なので pq+qr+rp=21−(p2+q2+r2)≦31 である。以上より L≦31 となり,求める不等式が示された。