問題
袋の中に白球が1個,赤玉が2個はいっている.この状態から始めて,次のような試行をくりかえす.袋の中から無作為に球を1個取り出し,それが白球であれば袋の中に戻し,赤球であればそれを戻さずに代わりに白球を2個袋の中に入れる.を2以上の自然数とする.ただし,を満たす数に対しであることは用いてよい.
(1) ちょうど回の試行の後に,袋の中の球の個数がはじめて5になる確率を求めよ.
(2) を求めよ.
方針
袋の中の球数が初めてになるのは,2個目の赤球を取り出した直後である。最初の赤球が出るまでの間は状態が変わらず,赤球の確率は。1個目の赤球の後は白球個,赤球個,合計個となり,2個目の赤球の確率はになる。(1)では1個目の赤球が回目に出る場合で和を取る。(2)では得られたにを掛けて和を取り,等比級数の微分型の和と,問題で与えられたを使って極限を求める。別解として,2つの待ち時間の平均を足す見方もできる。
解答
(1)
初めは白球個,赤球個で,合計個である。白球を取り出したときは袋の状態は変わらない。赤球を取り出すと,その赤球は戻さず白球個を入れるので,袋の中の球数は個増える。
したがって袋の中の球の個数が初めてになるのは,2個目の赤球が取り出された直後である。
1個目の赤球が回目に出て,2個目の赤球が回目に出るとする。このとき である。最初の回は白球を取り出し,回目に赤球を取り出すので,その確率は である。
1個目の赤球を取り出した後,袋の中は白球個,赤球個となる。したがって,その後回は白球を取り出し,回目に赤球を取り出す確率は である。
よって
である。定数をまとめると
である。ここでと置くと
となる。等比型の和より
である。だから
である。したがって
を得る。
(2)
(1)より
である。 に対して が成り立つ。問題で与えられたを用いると である。したがって となる。 では であり,では である。よって
である。したがって を得る。
別解。待ち時間の平均で考えると短く見通せる。1個目の赤球が出るまでの待ち時間は,毎回赤球の確率がであるから,平均は である。1個目の赤球が出た後は白球個,赤球個なので,2個目の赤球が出るまでの待ち時間の平均は である。袋の中の球数がになる時刻はこの2つの待ち時間の和なので,平均は である。これは上のの極限と一致する。