大阪大学 1994年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、微分、積分、関数
- 解法
- 不等式評価、はさみうち、面積計算
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
各自然数nに対して曲線y=enx−1と円x2+y2=1の第1象限における交点の座標を(pn,qn)とする.
(1) x≧0のとき不等式enx−1≧nxが成り立つことを証明せよ.
(2) (1)の結果を用いてn→∞limpn=0を証明せよ.
(3) (2)の結果を用いてn→∞limqnおよびn→∞limnpnを求めよ.
(4) 4点(0,0),(pn,0),(0,qn),(pn,qn)を頂点とする長方形の面積をSnで表し,また曲線y=enx−1,x軸,直線x=pnで囲まれた図形の面積をTnで表すことにする.このとき,n→∞limSnTnを求めよ.
出典:大阪大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
まずF(x)=enx−1−nxを考えて,x≧0で増加することからenx−1≧nxを示す。交点ではqn=enpn−1かつpn2+qn2=1である。(2)ではqn≦1とqn≧npnからpn≦1/nを得る。(3)では円の式でqn→1を出し,enpn=1+qnの対数を取ってnpn→log2を得る。(4)ではSn=pnqn,Tn=∫0pn(enx−1)dxを交点条件で整理して極限を取る。
解答
(1)
F(x)=enx−1−nx とおく。x≧0において F′(x)=n(enx−1) である。nは自然数で,x≧0ならenx≧1だから F′(x)≧0 である。したがってF(x)はx≧0で増加する。また F(0)=0 なので F(x)≧0 である。よって enx−1≧nx(x≧0) が成り立つ。
(2)
交点(pn,qn)は第1象限にあるので pn>0,qn>0 であり,曲線上にあることから qn=enpn−1 である。(1)をx=pnに用いると qn=enpn−1≧npn である。一方,円x2+y2=1上の点なので qn≦1 である。したがって 0<pn≦nqn≦n1 となる。はさみうちにより n→∞limpn=0 である。
(3)
円の方程式より pn2+qn2=1 であり,qn>0だから qn=1−pn2 である。(2)よりpn→0なので n→∞limqn=1 である。
また,曲線上にあることから enpn=1+qn である。両辺は正なので対数を取ると npn=log(1+qn) となる。qn→1より n→∞limnpn=log2 である。
(4)
長方形の面積は Sn=pnqn である。また,曲線とx軸,直線x=pnで囲まれた図形の面積は Tn=∫0pn(enx−1)dx である。積分すると Tn=[n1enx−x]0pn=nenpn−1−pn であり,enpn−1=qnだから Tn=nqn−pn となる。したがって SnTn=pnqnqn/n−pn=npn1−qn1 である。
(3)よりnpn→log2,qn→1だから limn→∞SnTn=log21−1 である。よって log21−1 を得る。