問題
座標平面上において,原点を中心とする角(ただし)の回転を表す1次変換とベクトルが与えられているとする.
(1) となるベクトルが存在することを示せ.
(2) さらに,すべてのベクトルに対してが成り立つことを示せ.
出典:大阪大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
(1)は、条件を と書き換え、 に当たる一次変換がどのベクトルにも対応できることを示す。回転角が なので だけ動かない方向はなく、行列式 が正になる。(2)は(1)で得た を代入し、左辺の中身を に直す。回転は長さを保つため、ただちに等式が従う。
解答
(1)
求める条件は である。これは と同じである。したがって、 で任意の が得られることを示せばよい。
座標を取ると、角 の回転 は
で表される。したがって を表す行列は
である。この行列式は
である。 より だから である。
よってこの一次変換は、任意の に対して を満たす をただ1つ定める。したがって、条件を満たす は存在する。
(2)
(1)で得た について である。したがって任意の に対して
である。回転は2点間の長さを変えないから
である。よって
が成り立つ。
別解。幾何的には、回転 の後に だけ平行に動かす操作は、ある点 を中心とする同じ角 の回転である。(1)はその中心の存在を行列式で示したものであり、(2)は中心からの距離が回転で保たれることを述べている。