問題
αは0<∣α∣<1を満たす虚数であるとする.複素数平面上の点の列z1,z2,z3,…を,z1=0,z2=1および
{z2n+1−z2n=α(z2n−z2n−1)z2n+2−z2n+1=α(z2n+1−z2n)(n=1,2,3,…)(n=1,2,3,…)
で定める.ただし,虚数とは虚部が0でない複素数のことであり,また,αはαに共役な複素数を表すものとする.このとき以下の問いに答えよ.
(1) 次の等式が成り立つことを示せ.
z2n+2−z2n=∣α∣2(z2n−z2n−2)(n=2,3,4,…)
(2) 偶数番目の点の列z2,z4,z6,…および奇数番目の点の列z1,z3,z5,…は,それぞれ同一直線上にあることを示せ.
(3) limn→∞∣zn−w∣=0を満たす複素数wを求めよ.
出典:岡山大学 2017年度 前期 理系 第4問
解答
(1)
n≧2とする。与えられた漸化式から
z2n+1−z2n=α(z2n−z2n−1)
であり,さらに
z2n+2−z2n+1=α(z2n+1−z2n)=∣α∣2(z2n−z2n−1)
である。したがって
z2n+2−z2n=(α+∣α∣2)(z2n−z2n−1)
である。
一方,
z2n−z2n−1=α(z2n−1−z2n−2)
であるから
z2n−z2n−2=(1+α)(z2n−1−z2n−2)
である。よって
∣α∣2(z2n−z2n−2)=∣α∣2(1+α)(z2n−1−z2n−2)
となる。これは
(α+∣α∣2)(z2n−z2n−1)
に等しいので,
z2n+2−z2n=∣α∣2(z2n−z2n−2)
が成り立つ。
(2)
(1)より,偶数番目の点について,隣り合う差
z2n+2−z2n
は,直前の差z2n−z2n−2の正の実数倍∣α∣2である。したがってz2,z4,z6,…は同一直線上にある。
次に奇数番目について考える。n≧1で
z2n+1−z2n−1=(1+α)(z2n−z2n−1)
である。またz2n−z2n−1は,nが1増えるごとに∣α∣2倍される。したがってz2n+3−z2n+1はz2n+1−z2n−1の正の実数倍∣α∣2である。よってz1,z3,z5,…も同一直線上にある。
(3)
r=∣α∣2とおく。0<r<1である。偶数番目の列について,
z4−z2=α+r
であり,(1)から
z2N=1+(α+r)(1+r+⋯+rN−2)(N≧2)
である。したがって
N→∞limz2N=1+1−rα+r=1−r1+α
である。
奇数番目の列については
z3−z1=1+α
であり,隣り合う奇数番目どうしの差は順にr倍されるから
z2N+1=(1+α)(1+r+⋯+rN−1)
である。よって
N→∞limz2N+1=1−r1+α
である。
偶数番目,奇数番目の極限が一致するので,求める複素数は
w=1−∣α∣21+α
である。