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名古屋大学 2026年度
理系数学 第4問

問題

平面上を次の規則(i),(ii)に従って移動する点Aを考える。

(i) 時刻0で点Aは原点にある。

(ii) ある時刻において点Aがにあるとき,時刻が1増えると点Aは3点のいずれかにそれぞれの確率で移動する。

1以上の整数に対して,次の条件(*)が成り立つ確率をとする。

(*) 時刻0から時刻まで点Aはつねにで定まる領域にある。

このとき,以下の問いに答えよ。

(1) を求めよ。

(2) 1以上の整数に対して,条件(*)が成り立ちかつ時刻で点Aが直線上にある確率をとする。また,条件(*)が成り立ちかつ時刻で点Aが直線上または直線上にある確率をとする。を用いて表せ。

(3) を用いて表せ。

(4) とおくとき,

が1以上のすべての整数に対して成り立つことを証明せよ。

出典:名古屋大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問

方針

移動で重要なのは座標そのものではなく差 だけである。1回の移動で のいずれかに確率 で移る。条件(*)は の3状態から出ないことなので,中央 にいる確率を ,端 にいる確率をまとめて として漸化式を立てる。 から2項漸化式を作り,最後は がその漸化式の特性方程式を満たすことを使って帰納法で上から押さえる。

解答

(1)

点Aの位置を とし, に注目する。1回の移動で, である。いずれも確率は である。条件(*)は,時刻0から時刻 まで常に にあるという条件である。

時刻0では である。1回後には のいずれかになるので,すべて条件を満たす。したがって である。

2回後を考える。時刻1で にいる場合は次も3通りすべて許される。時刻1で にいる場合は へ行く移動だけが許されず,2通りが許される。 の場合も同様に2通りである。よって全9通りのうち許されるものは 通りであり, である。

3回後については,後で用いる の考え方で数える。時刻2で条件を満たして にいる確率は にいる確率の合計は である。次の1回で許される確率は, からは1, からは であるから

である。したがって である。

(2)

時刻 まで条件(*)を満たし,かつ時刻 にいる確率を ,時刻 または にいる確率の合計を とする。 から次に へ移る確率は であり, または から へ移る確率もそれぞれ である。したがって である。

次に, から または へ移る確率は合計 である。また にいるとき,条件を保って端に残るのは へ移る場合だけで,確率は である。 でも同様である。よって である。したがって である。

(3)

である。また,時刻 の状態から次の1回も条件を保つ確率を考えると, からは確率1, からは確率 であるから である。

同様に である。(2)の式を代入すると

である。一方,

である。したがって である。

(4)

とする。このとき であり,

だから が成り立つ。

まず である。また であり, なので である。

ある について が成り立つと仮定する。(3)より であるから,

である。

したがって数学的帰納法により,1以上のすべての整数 について が成り立つ。