名古屋大学 2026年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、図形と方程式、微分
- 解法
- 面積計算、三角比の利用、微分による最大最小、置換
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
点Oを原点とするxy平面において,曲線y=x1の第1象限にある部分をCとし,C上の2点A(a,a1),B(b,b1) (ただし0<a<1,a<b)を考える。θ=∠BOAとおき,2直線OA,OBとCで囲まれた部分の面積をSとする。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) Sをa,bを用いて表せ。
(2) θ=4πであるとき,bをaを用いて表せ。
(3) 2点A,BがC上をθ=4πをみたしながら動くとき,Sの最小値を与えるaの値を求めよ。
出典:名古屋大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
2直線 OA,OB と曲線 C:y=1/x で囲まれる部分は,原点から曲線上の点へ向かう動径が掃く面積として考える。曲線上の点を (x,1/x) とすると,微小な扇形の面積は 21∣xy′−y∣dx で表され,ここでは dx/x になるので S=log(b/a) が得られる。角度条件は2直線の傾き 1/a2,1/b2 から b2 を求める。(3)では x=a2 と置き,対数の中身を最小にする一変数微分へ帰着する。
解答
(1)
曲線上の点を (x,y)=(x,x1) とおく。原点からこの点へ向かう動径が,x=a から x=b まで動くときに掃く面積が,求める面積 S である。 x が x+dx に変わるとき,2つの動径と曲線の小さい弧でできる微小部分の面積は,2つのベクトル (x,x1),(x+dx,x+dx1) が作る三角形の面積で近似できる。その極限は 21xdxdy−ydx である。ここで y=1/x だから dxdy=−x21 であり,
21x(−x21)−x1dx=21⋅x2dx=xdx
である。
したがって S=∫abxdx=logab である。
(2)
直線 OA の傾きは a1/a=a21 であり,直線 OB の傾きは b1/b=b21 である。a<b なので a21>b21 である。2直線のなす角 θ について
tanθ=1+a2b21a21−b21=a2b2+1b2−a2
である。 θ=π/4 なので tanθ=1 である。よって b2−a2=a2b2+1 となる。これを b2 について解くと b2(1−a2)=a2+1 である。0<a<1 より 1−a2>0 だから b2=1−a2a2+1 である。b>0 より b=1−a2a2+1 である。
(3)
(2)の条件のもとで S=logab である。x=a2 とおくと,0<a<1 より 0<x<1 である。また a2b2=x(1−x)x+1 だから S=21loga2b2=21logx(1−x)x+1 である。対数関数は単調増加なので,h(x)=x(1−x)x+1 を最小にすればよい。
微分すると
h′(x)=x2(1−x)2x(1−x)−(x+1)(1−2x)=x2(1−x)2x2+2x−1
である。分母は 0<x<1 で正なので,符号は x2+2x−1 で決まる。この2次式の 0<x<1 にある根は x=−1+2=2−1 である。したがって h′(x)<0 から h′(x)>0 に変わるので,h(x) は x=2−1 で最小となる。
ゆえに a2=2−1 であり,a>0 だから,S の最小値を与える a は a=2−1 である。