名古屋大学 2012年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、数列
- 解法
- 漸化式の変形、定積分評価、数学的帰納法
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
f0(x)=xexとして,正の整数nに対して,
fn(x)=∫−xxfn−1(t)dt+f′n−1(x)
により実数xの関数fn(x)を定める。
(1) f1(x)を求めよ。
(2) g(x)=∫−xx(at+b)etdtとするとき,定積分∫−ccg(x)dxを求めよ.ただし,実数a,b,cは定数とする。
(3) 正の整数nに対して,f2n(x)を求めよ。
出典:名古屋大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
(1)は定義に従って f0 の積分と微分を直接計算する。(2)は積分区間が [−x,x] であることから、x を −x に替えると積分の向きが逆になるので g が奇関数になることを使う。(3)は1回の操作では ex と e−x が混ざるが、2回作用させると (Ax+B)ex 型に戻ることを示す。係数 An,Bn の漸化式を作り、An は等比、Bn は 3n で割って階差に直して解く。
解答
(1)
f0(x)=xex である。まず ∫tetdt=(t−1)et であるから ∫−xxtetdt=(x−1)ex−(−x−1)e−x=(x−1)ex+(x+1)e−x である。また f0′(x)=(x+1)ex である。したがって f1(x)=(x−1)ex+(x+1)e−x+(x+1)ex より f1(x)=2xex+(x+1)e−x である。
(2)
g(x)=∫−xx(at+b)etdt である。x を −x に替えると g(−x)=∫x−x(at+b)etdt=−∫−xx(at+b)etdt=−g(x) となる。よって g は奇関数である。
したがって、c の正負にかかわらず対称区間での奇関数の積分は0となり、∫−ccg(x)dx=0 である。
(3)
次の操作を T と書くことにする。 T(F)(x)=∫−xxF(t)dt+F′(x) まず F(x)=(Ax+B)ex とおく。このとき ∫−xx(At+B)etdt=(Ax−A+B)ex+(Ax+A−B)e−x であり、F′(x)=(Ax+A+B)ex である。したがって T(F)(x)=2(Ax+B)ex+(Ax+A−B)e−x となる。
さらに G(x)=T(F)(x) とおく。上の式を用いて計算すると ∫−xxG(t)dt=(Ax+B)ex+(Ax−B)e−x であり、G′(x)=2(Ax+A+B)ex+(−Ax+B)e−x である。これらを足すと e−x の項が消えて T2(F)(x)=(3Ax+2A+3B)ex を得る。
ここで f2n(x)=(Anx+Bn)ex とおく。f0(x)=xex だから A0=1,B0=0 である。また上の T2 の式より An+1=3An,Bn+1=2An+3Bn である。したがって An=3n である。
次に Bn を求める。An=3n を代入すると Bn+1=2⋅3n+3Bn である。両辺を 3n+1 で割ると 3n+1Bn+1−3nBn=32 である。B0=0 から和をとって 3nBn=32n となり、Bn=2n3n−1 を得る。
以上より、正の整数 n に対して f2n(x)=3n−1(3x+2n)ex である。