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名古屋大学 2010年度
文系数学 第1問

問題

平面上の長方形が次の条件(a),(b),(c)をみたしているとする.

(a) 対角線の交点は原点に一致する.

(b) 直線の傾きは2である.

(c) 座標は,座標より大きい.

このとき,として,辺の長さをの長さをとおく.

(1) の座標をで表せ.

(2) 長方形が領域に含まれるためのに対する条件を求め,平面上に図示せよ.

出典:名古屋大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問

方針

長方形の辺の向きが直線 の傾きで決まっているので,まず 方向とそれに垂直な 方向の半分のベクトルを作る。中心が原点であることから,各頂点はその2本の半ベクトルの和・差で一度に表せる。後半は円が凸集合であることを用い,長方形全体が円に含まれる条件を「4頂点が円に含まれる条件」に帰着する。そのうえで,円の中心 から最も遠い頂点を比較して決めればよい。

解答

直線 の傾きは であるから, 方向の単位ベクトルとして をとることができる。 なので,中心から辺 の端点へ向かう半分のベクトルは である。

また,これに垂直な方向のうち,長さ の半分に対応するベクトルとして をとる。これは であり,長さも である。

中心が原点 であるから,4頂点は2つの半ベクトルの和・差で表される。条件 (c) より 座標が最大になるように符号を選ぶと,

実際, より であるから, 座標が最も大きい。

次に,円 の中心を とする。円板は凸集合であり,長方形は4頂点の凸包である。したがって,長方形全体が円板に含まれることは,4頂点すべてが円板に含まれることと同値である。

各頂点から までの距離の2乗を比べる。計算すると

ここで なので,4頂点のうち円の中心 から最も遠いのは である。

よって必要十分条件は である。すなわち であり,両辺を で割って平方完成すると を得る。

したがって求める条件は である。