名古屋大学 2005年度
後期・理系数学 後期第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、数列
- 解法
- 絶対値の処理、置換積分、和の計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
f(x)=∣e−xsinx∣とする.
曲線y=f(x)の(n−1)π≦x≦nπ(nは自然数)の部分とx軸で囲まれる図形の面積をSnとする.つぎの各問に答えよ.
(1) 0≦x≦2πの範囲で,f(x)=0を満たすxの値およびf(x)の極大値を与えるxの値を求めよ.
(2) 不定積分∫e−xsinxdxを求めよ.
(3) 面積Snを求めよ.
(4) 無限級数の和n=1∑∞Snを求めよ.
出典:名古屋大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期第3問
方針
絶対値があるため,[0,π] では f(x)=e−xsinx,[π,2π] では f(x)=−e−xsinx と符号を分ける。(1)の極大点は各区間で微分し,cosx−sinx=0 またはその符号反転から求める。(2)の不定積分は,e−x(Asinx+Bcosx) 型を微分して係数比較する。(3)は各区間を (n−1)π+u と置き換えると,面積が e−(n−1)π 倍になる。最後は等比数列の和を取る。
解答
(1)
f(x)=∣e−xsinx∣ であり,e−x>0 なので,f(x)=0 は sinx=0 と同値である。したがって 0≦x≦2π では x=0,π,2π である。
次に極大値を与える x を求める。0<x<π では sinx>0 なので f(x)=e−xsinx である。微分すると f′(x)=e−x(cosx−sinx) である。よって f′(x)=0 は cosx=sinx であり,0<x<π では x=4π である。符号を見れば,ここで極大となる。 π<x<2π では sinx<0 なので f(x)=−e−xsinx である。微分すると f′(x)=e−x(sinx−cosx) であり,f′(x)=0 から sinx=cosx を得る。この区間では x=45π であり,ここで極大となる。
(2)
∫e−xsinxdx を求める。−21e−x(sinx+cosx) を微分すると
{−21e−x(sinx+cosx)}′=21e−x(sinx+cosx)−21e−x(cosx−sinx)=e−xsinx
である。したがって ∫e−xsinxdx=−21e−x(sinx+cosx)+C である。
(3)
まず1区間分を計算する。
∫0πe−xsinxdx=[−21e−x(sinx+cosx)]0π=21e−π+21=21+e−π
である。 (n−1)π≦x≦nπ で x=(n−1)π+u(0≦u≦π) とおく。このとき e−x=e−(n−1)πe−u であり,∣sin((n−1)π+u)∣=sinu である。したがって
Sn=e−(n−1)π∫0πe−usinudu=21+e−πe−(n−1)π
である。
(4)
(3)より Sn は初項 21+e−π 公比 e−π の等比数列である。0<e−π<1 だから
n=1∑∞Sn=21+e−π⋅1−e−π1=2(eπ−1)eπ+1
である。