名古屋大学 2004年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 複素数平面、数列
- 解法
- 漸化式の変形、回転・拡大、面積計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 18〜24分
問題
iを虚数単位とする.
z1=3および,漸化式zn+1=(1+i)zn+i (n≧1)によって定まる複素数からなる数列{zn}について,以下の問いに答えよ.
(1) znを求めよ.
(2) すべての正の整数mについて,z8m−7=24m−2−1となることを示せ.
(3) 複素数znが表す複素数平面の点をPnとする.Pn,Pn+1,Pn+2を3頂点とする三角形の面積を求めよ.
出典:名古屋大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
一次漸化式の固定点を見つけて、zn+1 を等比数列に直す。1+i は大きさ 2、偏角 π/4 の複素数なので、8乗すると実数 16 になる。(2)は指数 8m−8 が8の倍数になることを使う。(3)は隣り合う点の差 zn+1−zn を求め、次の辺がそれを 1+i 倍したものになることから、辺の長さと挟角 π/4 で三角形の面積を計算する。
解答
(1)
漸化式 zn+1=(1+i)zn+i の固定点を求める。z=(1+i)z+i を解くと −iz=i より z=−1 である。したがって両辺に1を加えると zn+1+1=(1+i)(zn+1) となる。 z1=3 だから z1+1=4 である。よって zn+1 は初項4、公比 1+i の等比数列であり、zn+1=4(1+i)n−1 である。したがって zn=4(1+i)n−1−1 である。
(2)
n=8m−7 とすると n−1=8m−8=8(m−1) である。また (1+i)2=2i,(1+i)4=−4,(1+i)8=16 である。したがって
z8m−7=4(1+i)8m−8−1=4{(1+i)8}m−1−1=4⋅16m−1−1=24m−2−1
である。これは実数であり、求める式が示された。
(3)
(1)より zn+1−zn=4(1+i)n−4(1+i)n−1=4i(1+i)n−1 である。また zn+2−zn+1=4i(1+i)n=(1+i)(zn+1−zn) である。したがって、辺 PnPn+1 を表す複素数に 1+i を掛けると、辺 Pn+1Pn+2 を表す複素数になる。 1+i は大きさ 2、偏角 π/4 の複素数であるから、2つの辺のなす角は π/4 である。また ∣zn+1−zn∣=4∣1+i∣n−1=4⋅2(n−1)/2 であり、∣zn+2−zn+1∣=4∣1+i∣n=4⋅2n/2 である。よって三角形 PnPn+1Pn+2 の面積は 21⋅4⋅2(n−1)/2⋅4⋅2n/2⋅sin4π である。sin(π/4)=2/2 だから、これは 2n+2 である。
別解。面積は、複素数 w1=zn+1−zn, w2=zn+2−zn が作る平行四辺形の面積の半分としても求められる。ここで zn+2−zn=(1+(1+i))(zn+1−zn)=(2+i)(zn+1−zn) であり、回転拡大の実部・虚部から同じく面積 2n+2 が得られる。