名古屋大学 2004年度
文系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 微分、関数
- 解法
- 判別式、接線・法線、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15〜20分
問題
aを実数とする.f(x)=x3+ax2+(3a−6)x+5について以下の問いに答えよ.
(1) 関数y=f(x)が極値をもつaの範囲を求めよ.
(2) 関数y=f(x)が極値をもつaに対して,関数y=f(x)はx=pで極大値,x=qで極小値をとるとする.関数y=f(x)のグラフ上の2点P(p,f(p)),Q(q,f(q))を結ぶ直線の傾きmをaを用いて表せ.
出典:名古屋大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問
方針
極値をもつ条件は、導関数 f′(x) が異なる2つの実数解をもつことに等しいので、判別式で a の範囲を決める。極大点 p、極小点 q は導関数の2根であり、p<q とすると f′(x)=3(x−p)(x−q) と書ける。直線 PQ の傾きは (f(q)−f(p))/(q−p) であり、これは f′ の積分を q−p で割れば求まる。最後に導関数の2根の差を判別式から表して a だけの式にする。
解答
(1)
f′(x)=3x2+2ax+3a−6 である。3次関数 f(x) が極値をもつためには、f′(x)=0 が異なる2つの実数解をもてばよい。したがって判別式が正である条件を考える。 (2a)2−4⋅3(3a−6)>0 より 4a2−36a+72>0 すなわち 4(a−3)(a−6)>0 である。よって a<3または6<a である。
(2)
(1)の範囲で、f′(x)=0 の2根を p<q とする。3次関数の最高次係数は正なので、x=p で極大値、x=q で極小値をとる。このとき f′(x)=3(x−p)(x−q) である。
直線 PQ の傾き m は m=q−pf(q)−f(p) である。分子は導関数の積分で表せるので、f(q)−f(p)=∫pqf′(x)dx=∫pq3(x−p)(x−q)dx である。ここで h=q−p、x=p+t とおくと、0≦t≦h で (x−p)(x−q)=t(t−h) だから、
f(q)−f(p)=3∫0ht(t−h)dt=3(3h3−2h3)=−2h3.
したがって m=q−pf(q)−f(p)=−21h2 である。
一方、f′(x)=3x2+2ax+3a−6 の2根の差は
q−p=3(2a)2−4⋅3(3a−6)=32(a−3)(a−6)
である。よって
m=−21{32(a−3)(a−6)}2=−92(a−3)(a−6)
である。
別解。p+q=−2a/3、pq=a−2 とし、f(x) を p,q を用いて整理して f(q)−f(p) を直接計算してもよい。ただしその場合も、最終的には (q−p)2 だけが残る。積分を用いる方法は、極値間の平均変化率が導関数の符号付き面積であることを利用しており、計算の見通しがよい。