名古屋大学 1993年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 微分、積分、論証・証明
- 解法
- 式変形、定積分評価、範囲評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12〜16分
問題
3次関数y=f(x)についてf(0)=f′(0)=f′(2)=0であり,さらに0≦x≦2において∣f′′(x)∣≦1が成り立つならば,∣f(2)∣≦32であることを証明せよ.
出典:名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
3次関数なので f′′(x) は1次式である。条件 f′(2)−f′(0)=0 は f′′ の [0,2] での積分が0であることを意味し,この1次式が x=1 を中心にした形 k(x−1) になる。あとは ∣f′′(x)∣≦1 から ∣k∣≦1 を取り,f(2) を f′′ の積分で表して評価する。
解答
f は3次関数であるから,f′′(x) は1次式である。そこで f′′(x)=px+q とおく。条件 f′(0)=f′(2)=0 より 0=f′(2)−f′(0)=∫02f′′(x)dx である。したがって ∫02(px+q)dx=2p+2q=0 となり,q=−p である。よって f′′(x)=p(x−1) と書ける。以下 p=k とおく。 0≦x≦2 では ∣x−1∣≦1 であり,特に x=0 または x=2 で ∣x−1∣=1 である。条件 ∣f′′(x)∣≦1 から ∣k∣≦1 が従う。
次に f(2) を f′′ で表す。f′(0)=0 より f′(x)=∫0xf′′(t)dt であり,さらに f(0)=0 より f(2)=∫02f′(x)dx=∫02(∫0xf′′(t)dt)dx である。積分の順序を高校範囲の面積の見方で入れ替えると,固定した t に対して x は t≦x≦2 を動くので f(2)=∫02(2−t)f′′(t)dt である。ここに f′′(t)=k(t−1) を代入して f(2)=k∫02(2−t)(t−1)dt となる。積分を計算すると ∫02(2−t)(t−1)dt=∫02(−t2+3t−2)dt=−32 である。したがって f(2)=−32k であり,∣k∣≦1 から ∣f(2)∣≦32 が成り立つ。
別解。f′′(x)=k(x−1) まで求めたあと,直接2回積分してもよい。f′(0)=0 より f′(x)=2kx2−kx であり,f(0)=0 より f(x)=6kx3−2kx2 である。したがって f(2)=34k−2k=−32k となり,同じ評価を得る。