問題
長さの線分の中点が1辺の長さの正方形の内部にあり,その線分がと2点で交わるとき,点の存在する範囲を図示せよ.ただし,とする.
方針
線分の中点を とし,線分は から両方向に長さ だけ伸びていると考える。 なので,2点で交わる相手は向かい合う2辺ではなく,必ず隣り合う2辺である。1つの頂点の近くで, から2辺に向かう距離を線分の方向で表すと,ある向きが存在する条件は になる。これを4つの頂点について移せば,四隅の四分円板が求める範囲になる。
解答
正方形を とおく。点 は内部にあるので,実際には , である。
まず左下の頂点 に隣り合う2辺 , と線分が交わる場合を考える。 とし,線分の一方の向きの単位ベクトルを とする。この向きで下の辺 に届くまでの距離は であり,反対向きで左の辺 に届くまでの距離は である。長さ の線分は から両方向に長さ ずつ伸びているので,2つの交点を線分上にもつためには となる向きが存在すればよい。
これは となる が存在することと同じである。そのための必要十分条件は である。したがって左下の頂点に対応する範囲は である。
また であるから,線分が向かい合う2辺に届くことはない。実際,向かい合う2辺の間の距離は であり,線分の長さ より大きい。したがって,2点で交わる場合は必ずいずれかの頂点に隣り合う2辺に届く場合である。
よって求める の範囲は,正方形の四隅を中心とする半径 の四分円板のうち,正方形の内部にある部分である。座標で書けば,次の4つの範囲の和である。 ただし,いずれも , の内部に限る。 なので,これら4つの四分円板は互いに重ならない。
別解。左下の頂点について,線分が辺 , と交わる点をそれぞれ とする。 から までの距離はいずれも 以下であるから,三角形 , の直角成分を見れば,ある方向で2辺に届くためには から頂点 までの距離が 以下でなければならない。逆に なら,上で示した角度を選んで2辺へ同時に届かせることができる。したがって同じ四分円板が得られる。