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名古屋大学 1992年度
文系数学 第2問

問題

行列は実数)による平面上の1次変換を考える.中心,半径1の円をこの変換で移した図形をとする.ただしとする.

(1) はどんな図形か.

(2) 軸,軸のいずれとも接するようなの値を求めよ.

出典:名古屋大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問

方針

この行列は任意のベクトルの長さを 倍にするので,円は円に移る。中心 の移る点と半径を求めれば(1)は終わる。(2)では,中心から 軸までの距離と 軸までの距離をそれぞれ半径に等しいとおく。 かつ中心の 座標が正であることを使い,絶対値の条件を落とさず整理する。別解として,円周を媒介変数で表して直接計算しても同じ中心と半径が得られる。

解答

(1)

がこの1次変換で に移るとすると である。2点の差を表すベクトル についても同じ式が成り立つので,変換後の長さの2乗は である。したがって長さは常に 倍される。

中心 に移る。もとの円の半径は1だから,移った図形 である。

(2)

の中心から 軸までの距離は である。 なので中心は 軸の右側にあり, 軸に接する条件は である。

また,中心から 軸までの距離は であるから, 軸に接する条件は である。上の2式を比べると であり, より である。これを に代入して を得る。したがって である。

別解。もとの円周を とおく。変換後は

である。後半のベクトルの長さの2乗は となり, によらない。よって(1)と同じ円が得られ,接線条件から(2)も同様に求まる。