問題
(1) の形をした実数の行列で,を満たし零行列でも単位行列でもないものをすべて求めよ.
(2) 上のような行列によって定まる1次変換によって,平面上のすべての点は,原点を通る一定の直線上にうつされることを証明せよ.
出典:名古屋大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
まず を成分比較し、 と に分けて整理する。最終的には , にまとまるが、端点 を漏らさないようにする。後半は、任意の点の移る先が2つの列ベクトルの一次結合であることを使い、その2つの列ベクトルが比例するため一定の直線上にのることを示す。
解答
【(1)】
とする。 を成分で比較すると を得る。
まず の場合を考える。このとき だから、 はそれぞれ または である。零行列でも単位行列でもないものは
である。
次に の場合を考える。 より である。また である。逆に、, が成り立てば であり、同様に も成り立ち、 も満たす。したがって である。
以上をまとめると、求める行列は
である。この表示には の2つの端点も含まれている。
【(2)】任意の点 は、行列 により
へ移る。ここで である。 の場合、 かつ なので
となり、2つの列ベクトルは比例する。したがって任意の点の移る先は、原点を通り の方向をもつ一定の直線上にある。
端点の場合、 では
であり、すべての点は 軸上へ移る。また では
であり、すべての点は 軸上へ移る。いずれも原点を通る一定の直線上にある。
別解。(1)の行列は、 として , の形にも表せる。このとき移る先は常に 方向の直線上にあり、端点も座標軸の場合として含まれる。