問題
自然数に対してとおくとき,次の(1),(2)に答えよ.
(1) ,を示せ.
(2) を求めよ.
出典:名古屋大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
まず で現れる「対角成分が等しく,対角でない成分も等しい形」が,右から与えられた行列を掛けても保たれることを確かめる。これで , が帰納的に示せる。(2)では と の漸化式を作り,和 と差 に分けると,それぞれ公比 と の等比数列になる。最後に へ戻す。
解答
(1)
まず
である。右辺も対角成分が等しく,対角でない成分も等しい形になっている。 のとき
であり,たしかに , である。ある で
と書けるなら,上の計算により でも同じ形が保たれる。したがって,すべての自然数 について である。
(2)
(1)より
とおける。この両辺に右から を掛けると
であるから を得る。
ここで とおく。すると であり,また である。初期値は , なので である。したがって となる。
最後に へ戻すと である。
別解。成分が同じ向き のベクトルにこの行列を掛けると各成分は 倍になり,成分の和が である向き のベクトルに掛けると符号が反対になる。したがって, 回掛けたときには,和の方向は 倍,差の方向は 倍になる。これは上の , の議論をベクトルで見たもので,同じく を得る。