問題
以下の問いに答えよ。
(1) が無理数であることを示せ。
(2) を自然数とする。が整数となるための,がみたすべき必要十分条件を求めよ。
出典:九州大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
(1) は と仮定し,互いに素な整数表示から偶奇の矛盾を出す。(2) は二項定理で を展開し, により偶数番目の項だけが残ることを見る。 が偶数なら残る は整数, が奇数なら全体が の正の整数倍になるため,(1) を使って整数でないと示す。
解答
(1)
が有理数であると仮定する。このとき,互いに素な自然数 を用いて と表せる。両辺を2乗すると であるから となる。したがって は偶数であり, も偶数である。そこで とおくと より である。よって も偶数であり, も偶数である。これは が互いに素であることに反する。したがって ことが示された。
(2)
二項定理より であり,また である。したがって和をとると
である。ここで が奇数のときは , が偶数のときは である。よって偶数の に対応する項だけが残る。 が偶数のとき,残る項では も偶数なので, は偶数である。したがって は整数であり,各項は整数である。よって全体も整数である。
次に が奇数のときを考える。このとき,残る項では が偶数であるから, は奇数である。よって各項は の形である。残る各項の係数はすべて正なので,和は と表せる。ただし は正の整数である。もしこの値が整数なら, となり, が有理数になってしまう。これは (1) に反する。したがって が奇数のときは整数ではない。
以上より,必要十分条件は である。