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九州大学 2019年度
後期・理系数学 後期 第5問

問題

を正の実数として,点を通りベクトルに平行な直線を考える。

(1) この直線上に中心をもち,平面,平面,平面すべてに接する球が存在するようなの値が二つあることを示せ。さらに,それぞれのについて,このような球が一つずつあることを示せ。

(2) (1)で求めた二つの球の中心を通る直線をとし,直線に垂直で原点を通る平面をとする。直線と平面を,それぞれ式で表せ。

(3) (1)で求めた二つの球のうち,半径の大きな方の球を,もう一方の球をとする。球は平面と交わらないことを示せ。

(4) 球を,その中心が直線上を動くように平面に向かって移動させる。球が平面に初めて接するまでの中心の移動距離を求めよ。

(5) (4)の移動前の球と球が内接する円錐の頂点をとし,移動後の球と球が内接する円錐の頂点をとするとき,の距離を求めよ。

出典:九州大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第5問

方針

球が3つの座標平面すべてに接するための条件は、中心の3座標の絶対値がすべて半径に等しいことである。直線上の中心を と置き、まず第1・第2座標の符号の組合せから可能な と半径を絞る。得られた2つの中心から直線 と垂直平面 を求める。後半は、中心から平面までの距離と半径の比較、さらに同一直線上の2球に外接する円錐の相似比を使って、中心移動距離と頂点間距離を計算する。

解答

(1)

与えられた直線上の点は、実数 を用いて と表される。この点を中心とする球が 平面、 平面、 平面のすべてに接するには、中心の3座標の絶対値がすべて等しければよい。その共通値を半径 とする。

まず第1座標と第2座標について考える。可能な符号を調べると、半径 を与えるのは次の2通りだけである。 から を得る。また から を得る。残りの符号の組合せでは が負になり、球の半径として不適である。 の場合、中心は であり、第3座標も絶対値1でなければならない。 より である。このとき中心は で、半径は1である。 の場合、第1・第2座標はともに であり、第3座標は である。 かつ絶対値が であることから となり である。このとき中心は で、半径は である。

したがって条件を満たす の2つであり、それぞれについて対応する球は1つずつである。

(2)

2つの中心は

である。方向ベクトルは なので、直線 の方向ベクトルは としてよい。よって である。

直線 に垂直で原点を通る平面 の法線ベクトルは である。したがって である。

(3)

半径の大きな球 の中心は 、半径は である。点 から平面 までの距離は

である。一方、半径は である。中心から平面までの距離が半径より大きいので、球 は平面 と交わらない。

(4)

直線 は平面 に垂直である。したがって、中心を 上で に向かって動かすと、中心から までの距離は動かした距離だけ減少する。球 が初めて に接するとき、中心から までの距離は半径 に等しい。よって中心の移動距離は である。

(5)

小さい球 の中心を 、大きい球 の移動前の中心を とする。2つの中心間距離は である。小さい球の半径は1、大きい球の半径は である。

2つの球が内接する円錐の頂点は、2つの中心を結ぶ直線上にある。頂点が小さい球の中心から、大きい球と反対側に距離 だけ離れているとすると、円錐の相似より である。これを解くと である。したがって、移動前の頂点 から大きい球と反対側に だけ離れた点である。

(4)で大きい球の中心は に向かって だけ動く。この移動は から へ向かう向きであるから、移動後の大きい球の中心と の距離は である。同様に、移動後の円錐の頂点 から大きい球と反対側に距離 だけ離れているとすると である。よって である。

はどちらも から同じ向きの半直線上にあるので である。