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九州大学 2010年度
理系数学 第5問

問題

実数を成分とする2次正方行列を考える。平面上の点に対し,点により定める。このとき,次の問いに答えよ。

(1) が放物線全体の上を動くとき,が放物線全体の上を動くという。このとき,行列を求めよ。

(2) が放物線の全体の上を動くとき,は常に円の上にあるという。このとき,行列を求めよ。

(3) が放物線全体の上を動くとき,がある直線全体の上を動くためのについての条件を求めよ。また,その条件が成り立っているとき,直線の方程式を求めよ。

出典:九州大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問

方針

が放物線上を動くので,とおいてと表す。軌跡が指定された曲線上にある条件はの恒等式として係数比較する。(1)では放物線上に「乗る」だけでなく「全体を動く」ためにが全実数を動く条件を確認する。(3)ではが直線全体を動くため,二次項が残ると値域が半直線型になり全体にはならないことまで示す。

解答

(1)

上を動くので, とおく。このとき である。が放物線上にあるためには,すべての実数について が成り立つ必要がある。展開すると である。係数を比較して を得る。したがって である。

さらに,が放物線の全体を動くには,がすべての実数値を取る必要がある。したがってである。よって

である。このときは全実数を動き,となるので,確かに放物線全体が得られる。

(2)

円の条件は すなわち である。を代入すると がすべてので成り立つ。

の係数から である。は実数なので である。すると恒等式は となる。の係数より,さらにの係数よりである。したがって

である。このときであり,確かに円上の点である。

(3)

に対して である。のときだから,が動く直線は原点を通る直線でなければならない。

まずかつなら である。はすべての実数を動くので,は原点を通り方向ベクトルをもつ直線全体を動く。この直線は で表される。

逆に,がある直線全体を動くとする。するとすべてのは同じ一本の原点を通る直線上にあるので,は同じ方向を向くか,どちらかが零ベクトルでなければならない。もしなら,その直線上の座標は という二次式で表される。二次式の値域は下または上に限界をもつため,直線全体を動くことはできない。したがって でなければならない。さらにならは原点だけにとどまり,直線全体を動かない。よって必要十分条件は である。

別解。直線は原点を通るから,と書ける。ただしである。が常に上にあるなら の恒等式となるので である。これはが同じ直線方向にあることを意味する。さらにが直線全体を動くには,その直線上の係数がすべての実数値を取らなければならない。二次項が残ると係数は二次式となり全実数を動かないため,やはりが必要で,が十分条件となる。