問題
行列によって表される1次変換は,
を頂点とする正三角形を面積4倍の正三角形に移すという.次の問に答えよ.
(1) 行列を求めよ.
(2) 原点を中心とし半径1の円の1次変換による像を求めよ.
出典:九州大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
もとの正三角形は一辺 で、面積が4倍になる正三角形は一辺 である。 の移った点を列ベクトルで表し、長さがともに 、内積が になる条件を立てる。得られた4通りの行列について、列ベクトルの長さと直交を確認し、半径1の円が半径2の円に移ることを示す。
解答
(1)
もとの三角形 は一辺 の正三角形であるから、面積は である。移った後の正三角形の面積はその4倍なので、一辺の長さは である。 、 がそれぞれ移る点を とすると である。 は原点に移るので、 が一辺4の正三角形である条件は である。
まず より だから である。次に内積条件より であり、 を用いると となる。したがって である。
最後に を使う。 とおくと、 より である。これが に等しいので である。よって 、、 である。
したがって求める行列は
の4通りである。
(2)
上で得たいずれの行列についても、2つの列ベクトルは長さ で互いに直交する。実際 である。
したがって、任意の点 に対して、移った点の原点からの距離の2乗は になる。特に 上の点は、原点からの距離が の点に移る。よって求める図形は である。