問題
次の(1),(2),(3)に答えよ.
(1) 数学的帰納法を用いて,正の整数に対してが成立することを示せ.
(2) を満たす整数,に対してが成立することを示せ.
(3) 正の整数に対してが成立することを示せ.
出典:九州大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
(1) で階乗の下からの評価を帰納法で作る。(2) は を積の形にして、分子の各因子が 以下であることから 以下に押さえる。(3) は二項定理で展開し、 の項を として分け、残りに (2) と無限等比和の評価を使う。
解答
(1)
のとき であり、成立する。 で が成立すると仮定する。このとき である。 だから であり、 となる。よって である。数学的帰納法により、すべての正の整数 について が成立する。
(2)
である。ここで分子の 個の因子はいずれも 以下であるから である。したがって である。(1) より だから であり、 が示された。
(3)
二項定理より
である。よって
となる。(2) を用いると である。右辺の有限和は、無限等比級数 の一部であり、その和は である。有限和はこの無限和より小さいので である。
別解。
(3) では のとき左辺は で明らかに より小さい。 では上の評価を使うと、残りの項が初項 、公比 の等比級数の途中までで押さえられる。つまり二項展開を、誘導された不等式で等比級数に置き換えるのが全体の流れである。