問題
正角形とその外接円を合わせた図形をとする.上の点に対して,始点と終点がともにであるような,図形の一筆がきの経路の数をで表す.正角形の頂点をひとつとってとし,とおく.また正角形の辺をひとつとってその中点をとし,とおく.このときとを求めよ.
注: 一筆がきとは,図形を,かき始めから終わりまで,筆を紙からはなさず,また同じ線上を通らずにかくことである.
方針
図形 を,正 角形の辺からなる 本の辺と,外接円の弧からなる 本の辺をもつグラフとして見る。各頂点には4本の線が集まるので,一筆書きは各頂点で4本の半辺を2組に組み合わせる「通過の仕方」を決めることに対応する。1つの閉じた経路になる通過の仕方を数え,頂点 からは最初に出る向きが4通り,辺の中点 からは2通りであることを掛ける。
解答
正 角形の各辺と,外接円上で隣り合う頂点を結ぶ各弧を,それぞれ1本の線と見る。すると は,隣り合う頂点の間に2本の線があるグラフであり,線の総数は 本である。各頂点には,正 角形の2辺と外接円の2弧,合計4本が集まる。
まず,頂点から出る最初の1本を固定したときの一筆書きの数を数える。その数を とする。
一筆書きでは,各頂点に来るたびに,入ってきた線と出ていく線が組になる。したがって,各頂点では4本の半辺を2組に分けることになる。ここで,正 角形の辺どうし,外接円の弧どうしをそのままつなぐ頂点を「切り替えない頂点」と呼び,正 角形の辺と外接円の弧をつなぐ頂点を「切り替える頂点」と呼ぶ。
切り替える頂点が1つもないと,正 角形と外接円を別々に一周する2つの閉曲線に分かれ,一筆書きにはならない。そこで,切り替える頂点がちょうど 個であるとする 。その頂点の選び方は 通りである。
切り替える頂点を円周上の順に並べる。固定した最初の線からたどると,1本の閉じた経路にするには,切り替え方の向きを最初に2通りのうちから選び,その後,切り替え頂点を2個ずつ組にして,正 角形側と外接円側の区間を交互につないでいくことになる。 が偶数のときは接続の戻り位置が 通り, が奇数のときは 通りある。したがって,選ばれた 個の頂点に対して,1つの閉じた経路を作る切り替え方は 通りである。
よって,最初の線を固定したときの一筆書きの数は
である。ここで が偶数なら , が奇数なら であるから,
ここで, と,奇数個を選ぶ方法の総数が であることを用いた。
頂点 から始める場合,最初に出る線は4通りである。したがって である。
次に,正 角形の辺の中点 から始める場合を考える。 からは,その辺に沿って左右どちらへ進むかの2通りだけがある。最初の向きを決めた後は,頂点に着いてからの通過の決め方は上で数えた と同じである。よって である。