京都大学 1991年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 三角関数、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、微分による最大最小、相加相乗平均
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
実数a,b (0≦a<4π,0≦b<4π)に対し次の不等式の成り立つことを示せ.
tana⋅tanb≦tan(2a+b)≦21(tana+tanb)
出典:京都大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
右側の不等式は tanx の上に凸な性質を,左側の不等式は log(tanx) の上に凹な性質を使って示す。端点 a=0 または b=0 では log(tanx) が直接使えないので,まず 0<a,b<π/4 で証明し,最後に連続性で端点を含める。
解答
まず 0<a,b<4π の場合を考える。端点を含む場合は最後に扱う。
右側の不等式を示す。h(x)=tanx とおくと h′′(x)=2tanx(1+tan2x) である。0<x<π/4 では tanx>0 だから h′′(x)>0 であり,h(x)=tanx はこの区間で下に凸である。したがって
tan2a+b=h(2a+b)≦2h(a)+h(b)=2tana+tanb
が成り立つ。
次に左側の不等式を示す。k(x)=log(tanx) とおく。0<x<π/4 で定義され,k′(x)=sinxcosx1=sin2x2 である。さらに k′′(x)=−sin22x4cos2x である。0<x<π/4 では cos2x>0 だから k′′(x)<0 であり,k(x) はこの区間で上に凸である。したがって k(2a+b)≧2k(a)+k(b) である。これを指数の形に戻すと tan2a+b≧tanatanb を得る。
以上より,0<a,b<π/4 では tanatanb≦tan2a+b≦2tana+tanb が成り立つ。
最後に,a=0 または b=0 の場合を考える。両辺に現れる tanx は [0,π/4] で連続であるから,上で得た不等式において a または b を正の値から 0 に近づければ,同じ不等式が端点でも成り立つ。したがって 0≦a,b≦4π 全体で求める不等式が成り立つ。