問題
同一平面上に2つの三角形,があり,それぞれの外接円の半径は共に1であるとする.この2つの外接円の中心を結ぶ線分の中点を,線分,,の中点をそれぞれ,,とする.
(1) ,,となることを示せ.
(2) もしが鋭角三角形でその外接円の半径が1となるならば,点はこの外接円の中心と一致することを示せ.さらにこのとき,,はすべて合同となることを示せ.
方針
二つの外接円の中心を とし,各頂点へ向かう長さ のベクトルで表す。中点 は, から見ると二つの単位ベクトルの平均になるので,三角不等式から が出る。(2)では の外接円の中心を原点に置く。鋭角三角形では外心が内部にあるため,三頂点の位置ベクトルに正の係数をかけた和を にできる。一方, が三つの頂点から距離 以下なら, のとき三頂点との内積がすべて正になり矛盾する。これで が外心と一致し,等号条件から三つの三角形の合同を示す。
解答
(1)
二つの外接円の中心をそれぞれ とする。また とおく。外接円の半径はいずれも なので である。 は の中点, は の中点であるから,中点どうしを結ぶベクトルは である。したがって
となる。同様に,, についても同じ議論を行えば である。
(2)
の外接円の中心を とする。 を原点に取り, の位置ベクトルをそれぞれ とおく。外接円の半径が であるから である。 は鋭角三角形なので,外心 は三角形の内部にある。したがって,正の数 を用いて と書ける。
いま の位置ベクトルを とする。(1)より
である。もし なら,例えば より であるから となる。同様に である。ところが と の内積を取ると
となり,左辺は正の数の和になって矛盾する。よって であり, である。
このとき は の外接円の中心で,半径は なので である。(1)の等号が のすべてで成り立つ。たとえば
であるから,三角不等式の等号条件より と は同じ向きで,長さも同じなので である。 についても同じことが成り立つ。
つまり, から へ向かう三つのベクトルと, から へ向かう三つのベクトルと, から へ向かう三つのベクトルは,対応してすべて等しい。したがって対応する辺の長さがすべて等しく
である。