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京都大学 1986年度
文理共通数学 文系第3問・理系第3問

問題

座標平面の原点をとし,とする.または2つの実数とする.任意の点に対しベクトルへの正射影を(すなわち点からを通る直線へおろした垂線の足),への正射影をとし,一次変換によって定める.
一次変換がどのようなに対しても(は変換の合成を表す)となるための必要十分条件は,あるに対してとなることである.これを証明せよ.

出典:京都大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第3問・理系第3問

方針

方向と 方向は直交しており,任意のベクトルはこの二方向の和として一意に表せる。 方向を 倍, 方向を 倍する変換である。十分性は同じ二方向を別々に伸縮する変換どうしが可換であることから示す。必要性は,特に と可換であることを使い, 方向に, 方向に限られることを示す。

解答

とおく。この二つは直交し,どちらも ではないので,平面上の任意のベクトルは の形に一意に表される。

定義より, 方向への正射影は 成分だけを取り出し, 方向への正射影は 成分だけを取り出す。したがって

である。特に

である。

まず,ある に対して と書けるなら,任意の について

である。一方

であり一致する。よって十分性は示された。

次に,任意の に対して が成り立つとする。まず とおく。 と可換であることから である。左辺は ,右辺は なので を得る。したがって 方向である。

同様に とおく。 と可換であることから である。左辺は ,右辺は なので である。よって 方向である。

したがって,ある実数 が存在して と書ける。任意のベクトル に対して, は一次変換であるから

である。よって となる。以上で必要十分条件が示された。