京都大学 1985年度
理系数学 第6問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、微分、関数
- 解法
- 文字消去、場合分け、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25〜35分
問題
定数a (a≧0)およびbが与えられている.x≧0で定義された関数y=f(x)で,下の2条件(A),(B)を満たすものを決定せよ.
(A) f(x)はx≧0で連続,x>0で微分可能
(B) b∫axf(t)dt=xf(x)
出典:京都大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第6問
方針
まず元の式に x=a を代入して、a>0 では f(a)=0 が必要になることを見る。次に x>0 で微分し、xf′(x)=(b−1)f(x) を得る。x1−bf(x) が一定であることから f(x)=Cxb−1 と決め、a>0 の条件、a=0 での連続性、さらに元の積分方程式への代入確認で場合分けを完成させる。
解答
与えられた条件は、すべての x≧0 について b∫axf(t)dt=xf(x) が成り立つということである。
まず x=a を代入すると b∫aaf(t)dt=af(a) より af(a)=0 を得る。したがって a>0 の場合には f(a)=0 が必要である。
次に x>0 で両辺を微分する。左辺の微分は bf(x)、右辺の微分は f(x)+xf′(x) だから bf(x)=f(x)+xf′(x) すなわち xf′(x)=(b−1)f(x) である。
この式から関数形を決める。x>0 において
dxd{x1−bf(x)}=(1−b)x−bf(x)+x1−bf′(x)=x−b{(1−b)f(x)+xf′(x)}=0
である。よって、ある定数 C が存在して x1−bf(x)=C すなわち f(x)=Cxb−1(x>0) である。
1. a>0 の場合
この場合は先に得た条件 f(a)=0 がある。ところが f(a)=Cab−1 であり、a>0 なので ab−1=0 である。したがって C=0 である。ゆえに f(x)=0(x>0) であり、連続性から f(0)=0 でもある。したがって f(x)≡0 だけが解である。これは元の式を明らかに満たす。
2. a=0 の場合
この場合、x>0 では f(x)=Cxb−1 である。あとは x=0 で連続であることと、元の式を満たすことを調べる。 b>1 のとき、xb−1→0 (x→0+) である。したがって任意の定数 C に対して f(0)=0,f(x)=Cxb−1(x>0) と定めれば連続である。また
b∫0xCtb−1dt=b⋅Cbxb=Cxb
であり、右辺も xf(x)=x⋅Cxb−1=Cxb なので元の式を満たす。 b=1 のとき、x>0 では f(x)=C である。連続性により f(0)=C とすればよい。このとき ∫0xCdt=Cx=xf(x) であり、元の式を満たす。よって任意の定数 C について f(x)=C(x≧0) が解である。 b<1 のとき、もし C=0 なら Cxb−1 は x→0+ で有限な極限をもたない。したがって連続性のためには C=0 でなければならず、零関数だけが残る。
以上をまとめると、解は次の通りである。
⎩⎨⎧a>0:a=0, b>1:a=0, b=1:a=0, b<1:f(x)≡0,f(0)=0, f(x)=Cxb−1 (x>0)(C は任意定数),f(x)=C (x≧0)(C は任意定数),f(x)≡0.