京都大学 1981年度
文系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 数列、図形と方程式
- 解法
- 漸化式の変形、式変形、数学的帰納法
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 17分
問題
pを有理数とし,次の関係をもつxn,ynを座標にもつ平面上の点Pn (n=1,2,⋯)を考える;
xn+1=xn+p(yn+1+yn),yn+1=yn−p(xn+1+xn)
いま,x1,y1がともに有理数で,かつP1は原点ではないとする.このとき,すべてのxn,ynは有理数であり,点Pnは原点を中心とする定円上にあることを示せ.
出典:京都大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問
方針
与式は (xn+1,yn+1) についての連立一次方程式である。まず係数行列の行列式が 1+p2=0 であることから一意に解き、p,xn,yn が有理数なら次も有理数になることを示す。定円性は、差と和を掛けて足す方法、または得られた一次変換が長さを保つことを使って示す。
解答
与えられた2式を xn+1,yn+1 について整理すると xn+1−pyn+1=xn+pyn,pxn+1+yn+1=yn−pxn である。左辺の係数行列の行列式は 1+p2 であり、p は有理数、特に実数だから 1+p2=0 である。したがって解は一意に定まり、計算すると
xn+1=1+p2(1−p2)xn+2pyn,yn+1=1+p2(1−p2)yn−2pxn
となる。 p が有理数で、xn,yn が有理数なら、右辺は有理数の四則計算で得られるので xn+1,yn+1 も有理数である。x1,y1 はともに有理数であるから、数学的帰納法により、すべての xn,yn は有理数である。
次に、与式を差の形に戻すと xn+1−xn=p(yn+1+yn),yn+1−yn=−p(xn+1+xn) である。第1式に xn+1+xn を掛け、第2式に yn+1+yn を掛けて足すと (xn+1−xn)(xn+1+xn)+(yn+1−yn)(yn+1+yn)=0 となる。これは xn+12+yn+12=xn2+yn2 を意味する。よってこれを繰り返して xn2+yn2=x12+y12 がすべての n について成り立つ。P1 は原点でないから x12+y12>0 であり、点 Pn は原点を中心とする定円 x2+y2=x12+y12 上にある。
別解。
先に求めた式を
(xn+1yn+1)=1+p21(1−p2−2p2p1−p2)(xnyn)
と見る。ここで
(1+p21−p2)2+(1+p22p)2=1
であるから、直接展開して xn+12+yn+12=xn2+yn2 が分かる。この見方でも定円上にあることが直ちに従う。