北海道大学 1986年度
理系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、数列、関数
- 解法
- 式変形、漸化式の変形、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 20〜25分
問題
g(x)=e2x+1e2x−1,f(x)=1+g(a)xg(a)+xとする.ただし,aは定数,eは自然対数の底である.
(1) すべての実数tに対して,f(g(t))=g(t+a)を示せ.
(2) x1=g(a),xn+1=f(xn) (n=1,2,3,⋯⋯)により数列{xn}を定める.a>0として,n→∞limxnを求めよ.
出典:北海道大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問
方針
g(x) を指数式のまま扱い、g(a) と g(t) を f に代入して分母分子を整理する。これは双曲線関数の加法公式と同じ形だが、答案では指数だけで直接示せばよい。漸化式は x1=g(a) と f(g(t))=g(t+a) から帰納的に xn=g(na) と表す。a>0 なら e2na が限りなく大きくなるので極限は1になる。別解として、(1+xn)/(1−xn)) を作ると毎回 e2a 倍されることからも同じ結論を得られる。
解答
(1)
g(t)=e2t+1e2t−1,g(a)=e2a+1e2a−1 である。したがって f(g(t))=1+g(a)g(t)g(a)+g(t) である。
分子を通分すると
g(a)+g(t)=(e2a+1)(e2t+1)(e2a−1)(e2t+1)+(e2t−1)(e2a+1)
であり、分子のさらに上側は 2e2ae2t−2=2(e2(a+t)−1) である。
一方、分母側は
1+g(a)g(t)=(e2a+1)(e2t+1)(e2a+1)(e2t+1)+(e2a−1)(e2t−1)
であり、分子のさらに上側は 2e2ae2t+2=2(e2(a+t)+1) である。よって f(g(t))=e2(a+t)+1e2(a+t)−1=g(t+a) である。
(2)
x1=g(a) である。(1) より、もし xn=g(na) なら xn+1=f(xn)=f(g(na))=g((n+1)a) である。したがって数学的帰納法により xn=g(na) がすべての正の整数 n で成り立つ。 a>0 であるから、n→∞ のとき e2na→∞ である。したがって
n→∞limxn=n→∞lime2na+1e2na−1=1
である。
別解。yn=1−xn1+xn とおく。xn=g(u) なら 1−xn1+xn=e2u である。xn+1=f(xn) の式を用いて直接整理しても yn+1=e2ayn が得られる。さらに x1=g(a) より y1=e2a だから yn=e2na である。ゆえに xn=yn+1yn−1=e2na+1e2na−1 となり、極限は1である。