北海道大学 1985年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、関数
- 解法
- 定積分評価、微分による最大最小、文字消去
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25〜35分
問題
微分可能な関数y=f(x)が方程式{f(x)}3+f(x)−∫0xtet{f(t)}2dt−2=0を満たしているとする.ただし,つねにf(x)=0とする.
(1) f(x)の極値を求めよ.
(2) f(x)を求めよ.
出典:北海道大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
まず x=0 を代入して f(0)=1 を求める。次に与式を微分すると,積分項は上端の値により xexf(x)2 になり,(3f(x)2+1)f′(x)=xexf(x)2 が得られる。f(x)=0 と連続性から f(x)>0 なので,f′(x) の符号は x の符号で決まる。(2) は微分方程式を (3+1/f2)f′=xex と分離し,3f−1/f を積分してから2次方程式として f を解く。
解答
(1)
まず与えられた方程式に x=0 を代入する。積分区間は長さ0なので積分項は0であり,f(0)3+f(0)−2=0 である。左辺は f(0)3+f(0)−2=(f(0)−1)(f(0)2+f(0)+2) と因数分解できる。f(0)2+f(0)+2 は判別式が 1−8<0 で常に正なので f(0)=1 である。
次に,問題の方程式を x で微分する。左辺の各項を微分すると 3f(x)2f′(x)+f′(x)−xexf(x)2=0 である。したがって (3f(x)2+1)f′(x)=xexf(x)2 を得る。
ここで f(0)=1 であり,f は微分可能だから連続である。また問題より常に f(x)=0 なので,f(x) は0をまたいで符号を変えることができない。したがって f(x)>0 がすべての x で成り立つ。
よって ex>0,f(x)2>0,3f(x)2+1>0 であるから,f′(x) の符号は x の符号と一致する。すなわち
x<0 で f′(x)<0,x=0 で f′(x)=0,x>0 で f′(x)>0
である。したがって x=0 で極小となり,その値は 1 である。極大値は存在しない。
(2)
上で得た式 (3f(x)2+1)f′(x)=xexf(x)2 を,f(x)2 で割ると (3+f(x)21)f′(x)=xex である。左辺は dxd(3f(x)−f(x)1) であるから,両辺を積分して 3f(x)−f(x)1=(x−1)ex+C となる。 x=0,f(0)=1 を代入すると,左辺は 3⋅1−1=2 であり,右辺は −1+C である。したがって C=3 であり 3f(x)−f(x)1=(x−1)ex+3 となる。
ここで H=(x−1)ex+3 とおくと 3f(x)−f(x)1=H である。f(x)=0 なので両辺に f(x) を掛けると 3f(x)2−Hf(x)−1=0 である。これを f(x) について解けば f(x)=6H±H2+12 となる。すでに f(x)>0 が分かっているので,正の値をとる f(x)=6H+H2+12 を選ぶ。したがって f(x)=6(x−1)ex+3+{(x−1)ex+3}2+12 である。