問題
座標、座標がともに整数である座標平面上の点を格子点と呼ぶことにする。座標平面上の点を頂点にもつ三角形上の格子点とは、頂点、辺または内部に含まれている格子点のことをいう。四角形に対しても同様に四角形上の格子点を定めるものとする。
を座標平面上の原点とする。とを互いに素な自然数、を自然数として、座標平面上の点、を考える。次の問いに答えよ。
(1) 直線上の格子点で、を満たすものは
のみであることを示せ。
(2) とをそれぞれと表す。点に対し、長方形上の格子点の個数をとを用いて表せ。また、三角形上の格子点の個数をとを用いて表せ。
(3) 三角形上の格子点の個数をを用いて表せ。
(4) 座標空間内の原点と点、、をとる。点を頂点とする四面体上の格子点の個数をを用いて表せ。ただし、座標、座標、座標のすべてが整数である座標空間内の点を格子点と呼ぶことにする。また、四面体上の格子点とは、頂点、辺、面または内部に含まれている格子点のことをいう。
方針
解法1(標準解法)
斜辺の格子点を互いに素の条件で決定する。三角形内は座標をで割った商と余りに分けて縦に数え、四面体は整数の高さごとの三角形断面の和にする。
解法2(長方形の対称性)
斜辺が長方形を合同な2つの三角形へ分けることを利用する。長方形全体の格子点数に、両側へ重複して数えられる斜辺上の格子点数を加えて2で割ればよい。この方法を一般のへ直接適用し、最後は高さごとに和をとる。
解答
解法1(標準解法)
(1)
直線の方程式は
である。この直線上の格子点について、上式をで割った余りを見ると、はで割り切れる。とは互いに素であるから、はで割り切れる。よって とおける。これを代入すると
である。より であるから、求める格子点は
のみである。
(2)
長方形上の格子点は 、 を満たす格子点であるから、個数は
である。
(1)をに適用すると、対角線上の格子点はの個だけである。長方形は対角線で合同なつの三角形に分かれるので、三角形上の格子点の個数は
である。
(3)
三角形内の格子点は
を満たす格子点である。、と表す。ただし の点は最後に別に数える。
を固定する。のとき、は から までの 個である。のとき、をで割った商を用いて同様に数えると、固定したに対する個数の和は
である。ここで、のによる余りがを一度ずつ動くことを用いた。
したがって、に対応する個数を足し、さらにの個を加えると
である。これを整理して
を得る。
(4)
()で切った断面を考える。この断面上の格子点は、(3)で を に置き換えた個数だけある。したがって、求める個数は
である。よって
である。
解法2(長方形の対称性)
(1)
直線は
で表される。格子点がこの直線上にあれば、はを割り切る。は互いに素なので、はを割り切る。よってと書け、代入すると
となる。からであり、は整数なので
逆にこれらの点はすべて直線上の格子点であるから、必要十分である。
(2)
長方形上の格子点数は
対角線は長方形を合同な2つの三角形に分ける。(1)でとすると、上の格子点はの2点だけである。
長方形全体の格子点を2つの三角形に振り分けると、対角線上の2点だけが両方に数えられる。2つの三角形の格子点数は等しいから、三角形上の格子点数をとすれば
よって
(3)
三角形を、長方形
の対角線で切り出した半分とみる。長方形の格子点数は
(1)より対角線上の格子点数はである。したがって、求める個数は
この議論は境界・内部を含む格子点を漏れなく数え、対角線上だけを重複補正している。
(4)
四面体は
で表される。()で切ると
となるので、断面上の格子点数は(3)のである。と置けば全格子点数は
ここで
を用いると
と形式的に置けば原点の1個になり、断面和の端点とも整合する。