東京大学 2023年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 数と式、方程式・不等式、関数
- 解法
- 解と係数の関係、式変形、置換、相加相乗平均
- 難易度
- 3 / 10 計算量 3 / 10 目安 10分
問題
kを正の実数とし,2次方程式x2+x−k=0の2つの実数解をα,βとする。kがk>2の範囲を動くとき,
1−βα3+1−αβ3
の最小値を求めよ。
出典:東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
解と係数の関係から α+β=−1,αβ=−k を使い,与式を α,β の対称式に直して k だけの関数にする。分母 (1−α)(1−β) は 2−k で,k>2 のため符号が負であることを意識して整理する。最後は u=k−2>0 とおき,2u+24/u の最小値を相加相乗平均,または微分で求め,等号条件が k>2 の範囲に入ることを確認する。
解答
解と係数の関係より α+β=−1,αβ=−k である。k>0 なので2つの解は実数であり,また k>2 より後で現れる分母 2−k は0でない。
与式を E とおく。共通分母にすると
E=(1−α)(1−β)α3(1−α)+β3(1−β)=(1−α)(1−β)(α3+β3)−(α4+β4)
である。まず分母は (1−α)(1−β)=1−(α+β)+αβ=1−(−1)−k=2−k である。
次に分子を求める。s=α+β=−1,p=αβ=−k とおくと α3+β3=s3−3ps=(−1)3−3(−k)(−1)=−1−3k である。また α2+β2=s2−2p=1+2k より
α4+β4=(α2+β2)2−2α2β2=(1+2k)2−2k2=1+4k+2k2
である。したがって
E=2−k(−1−3k)−(1+4k+2k2)=2−k−2−7k−2k2=k−22k2+7k+2
となる。さらに 2k2+7k+2=2k(k−2)+11(k−2)+24 であるから E=2k+11+k−224 である。
ここで u=k−2 とおくと,u>0 であり,E=2u+15+u24 となる。相加相乗平均より 2u+u24≧22u⋅u24=83 である。等号は 2u=u24,u2=12 すなわち u=23 のとき成り立つ。このとき k=2+23>2 で条件を満たす。よって求める最小値は 15+83 である。
別解。最後の最小値だけを微分で確認してもよい。u>0 に対し F(u)=2u+15+u24 とおくと F′(u)=2−u224=u22(u2−12) である。したがって 0<u<23 で減少し,u>23 で増加するので,最小は u=23 で F(23)=15+83 となる。