東京大学 2005年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 方程式・不等式、数と式
- 解法
- 置換、範囲評価、式変形
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
0以上の実数s,tがs2+t2=1を満たしながら動くとき,方程式
x4−2(s+t)x2+(s−t)2=0
の解のとる値の範囲を求めよ。
出典:東京大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
u=x2 とおくと2次方程式になり,判別式を直接計算するより (s±t)2 と因数分解的に見るのが早い。したがって解は ±(s+t) と ±∣s−t∣ である。あとは s,t≧0,s2+t2=1 のもとで S=s+t が 1≦S≦2 をちょうど動くことを確認し,2種類の正の解の範囲を単調性と端点で決める。最後に2つの範囲がつながるため,正負対称性から全体の範囲を出す。
解答
u=x2 とおくと,方程式は u2−2(s+t)u+(s−t)2=0 となる。この2次方程式の解は
u=s+t±(s+t)2−(s−t)2=s+t±2st
である。したがって u=(s+t)2,u=(s−t)2 であり,x の値は ±(s+t),±∣s−t∣ である。
ここで S=s+t とおく。s,t≧0,s2+t2=1 より 1=s2+t2≦(s+t)2≦2(s2+t2)=2 であるから 1≦S≦2 である。
逆に,1≦S≦2 を任意に取る。このとき st=2(s+t)2−(s2+t2)=2S2−1 となればよい。s,t を2次方程式 X2−SX+2S2−1=0 の2解として定めると,判別式は S2−2(S2−1)=2−S2≧0 であり,2解は実数である。また積 (S2−1)/2≧0,和 S≧0 だから,2解はともに0以上である。さらに s2+t2=(s+t)2−2st=S2−(S2−1)=1 である。よって S は 1≦S≦2 の範囲をちょうど動く。
まず大きい方の正の値を調べる。 (s+t)2=s+t+2st=S+2S2−2 である。右辺は 1≦S≦2 で増加するので,1≦(s+t)2≦22 である。したがって 1≦s+t≦23/4 である。
次に小さい方の正の値を調べる。 (s−t)2=s+t−2st=S−2S2−2 である。関数 F(S)=S−2S2−2 は,1<S≦2 で F′(S)=1−2S2−22S<0 となるので減少する。端点では F(1)=1,F(2)=0 であるから 0≦∣s−t∣≦1 である。
以上より,正の値として現れる範囲は 0≦x≦1 と 1≦x≦23/4 の和集合,すなわち 0≦x≦23/4 である。方程式は x2 だけを含むので,負の解についても対称に同じ範囲が現れる。したがって求める範囲は −23/4≦x≦23/4 である。