東京工業大学 2005年度
後期・理系数学 第1問
- 試験区分
- 後期
- 対象
- 全類
- 分野
- 数列、指数・対数、論証・証明
- 解法
- 和の計算、極限計算、不等式評価、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
数列 {am} を am=m とし,bn=m=1∑nam とおく。
(1) 0<r<1 とするとき,n→∞limnrn=0 および n→∞limn2rn=0 となることを証明せよ。
(2) Sm=a1r+a2r2+⋯+amrm,Tn=b1r+b2r2+⋯+bnrn とおくとき,m→∞limSm および n→∞limTn を求めよ。
出典:東京工業大学 2005年度 後期 後期・理系 第1問
方針
(1)は比を調べ,十分大きいところから一定比より小さくなることを用いて nrn,n2rn が 0 に近づくことを示す。(2)は Sm−rSm を作って有限和の公式へ帰着する。Tn は bk=a1+⋯+ak を使い,有限和の順序を入れ替えて Sn と余りの項で表す。
解答
(1)
0<r<1 であるから,r<q<1 となる数 q を1つ取る。十分大きい n について r(1+1/n)<q が成り立つので,nrn(n+1)rn+1=r(1+n1)<qである。よってある番号以後の nrn は,前の項に q 未満を掛けたもの以下になり,qk と同じように 0 に近づく。したがって limn→∞nrn=0 である。
同様に,十分大きい n について r(1+1/n)2<q が成り立つのでn2rn(n+1)2rn+1=r(1+n1)2<qとなる。したがって limn→∞n2rn=0 である。
(2)
am=m であるから Sm=r+2r2+⋯+mrm である。これに r を掛けて引くと
(1−r)Sm=r+r2+⋯+rm−mrm+1=1−rr(1−rm)−mrm+1
である。(1)より mrm+1→0 だから
m→∞limSm=(1−r)2r
である。
次に bk=a1+a2+⋯+ak より
Tn=k=1∑nbkrk=j=1∑nj(rj+rj+1+⋯+rn)
である。したがって
Tn=1−r1j=1∑njrj−1−rrn+1j=1∑nj=1−rSn−2(1−r)n(n+1)rn+1
である。(1)より n(n+1)rn+1→0 であるから
n→∞limTn=1−r1⋅(1−r)2r=(1−r)3r
である。