問題
(1) , である整数 , に対し,, とおくとき,次の式を示せ。
(2) 半径 の球面上の定点を端点とする長さ のひもを考える。このひもが球の外側の空間を動くとき,ひもの通過しうる領域の体積を求めよ。
方針
(1)はそれぞれ部分積分で境界項を計算する。(2)は定点と球の中心を通る平面で切る。断面で,定点から直接外側へ伸びる部分は半径 の半円を作り,球に巻きついてから離れる部分の境界は,接点の中心角を として と表される。この上側断面を 軸のまわりに回転して,半円部分,伸開線部分,球の除外分の体積を足し引きする。伸開線部分の積分は三角関数を展開して (1) 型の積分に帰着する。
解答
(1)
部分積分により
である。境界項は であるから, を得る。
同様に
である。境界項は である。よってである。
(2)
球の中心を ,ひもの固定端を とし, を 軸に取る。 と を通る平面で切ると,球は単位円,固定端は で表される。通過領域はこの断面を 軸のまわりに回転して得られる。
固定端から球に触れずにまっすぐ出る部分は, を中心とする半径 の半円を与える。これを回転した体積は半球の体積なので である。
次に,ひもが球面に沿って中心角 だけ進んだ点で離れる場合を考える。接点は ,残りの長さは であり,離れる方向は接線方向 である。したがって外側境界は, で表される。このとき である。
伸開線で囲まれる上側断面は,まず伸開線と 軸で囲まれる部分を回転し,最後に単位球の体積を差し引けばよい。媒介変数表示された境界を 軸のまわりに回転する公式より,向きに注意するとこの寄与は
である。 とおくと,向きを の増加方向に取ったまま
となる。ここで
である。また
であり,(1)より
を得る。したがって
である。
最後に,球の内部は通過領域から除くので,球の体積 を引く。したがって求める体積は
である。