東京工業大学 1998年度
後期・理系数学 第1問
- 試験区分
- 後期
- 対象
- 全類
- 分野
- 数列、積分、関数
- 解法
- 和の計算、定積分評価、極限計算、場合分け、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
実数 a,b に対し
xn=nb1{na1+(n+1)a1+⋯+(2n−1)a1}(n=1,2,3,…)
とおく。n→∞ のとき xn が収束するための a,b の条件およびそのときの極限値を求めよ。
出典:東京工業大学 1998年度 後期 後期・理系 第1問
方針
和の各項を n でくくり,xn=n1−a−b にリーマン和を掛けた形へ変形する。(1+j/n)−a は [1,2] 上の正の連続関数なので,平均部分は正の有限値へ収束し,発散・収束は主に n1−a−b の指数で決まる。境界 a+b=1 では定積分 ∫12t−adt を計算し,a=1 の場合だけ対数になる。
解答
与えられた式を j=0,1,…,n−1 として書き直すと
xn=n1−a−b⋅n1j=0∑n−1(1+nj)−a
である。
関数 t−a は [1,2] で正の連続関数であるから,
n1j=0∑n−1(1+nj)−a→∫12t−adt
であり,この極限は正の有限値である。
したがって,1−a−b<0,すなわち a+b>1 のとき xn→0 である。1−a−b=0,すなわち a+b=1 のときはxn→∫12t−adtである。一方,1−a−b>0,すなわち a+b<1 のときは,正の有限値に収束する平均部分に n1−a−b が掛かるため,xn→∞ となり収束しない。
よって収束条件は a+b≧1 である。そのときの極限値は
n→∞limxn=⎩⎨⎧01−a21−a−1log2(a+b>1),(a+b=1, a=1),(a=1, b=0)
である。