東京工業大学 1994年度
後期・理系数学 第1問
- 試験区分
- 後期
- 対象
- 全類
- 分野
- 関数、微分、積分
- 解法
- 絶対値の処理、場合分け、必要十分条件、文字消去
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 18分
問題
関数 f(x) に対し F(x)=∫0xf(t)dt とおく。ある定数 a,b,c が存在して F(x)=x2+ax∣x−b∣+cx が常に成立し,さらに3つの条件 (i) f(x) は連続,(ii) F(1)=0,(iii) f(0)=1 が満たされているとする。このとき f(x) を求めよ。
出典:東京工業大学 1994年度 後期 後期・理系 第1問
方針
f が連続なので F(x)=∫0xf(t)dt はすべての x で微分可能であり,F′(x)=f(x) である。したがって右辺 x2+ax∣x−b∣+cx もすべての点で微分可能でなければならない。特に x∣x−b∣ の x=b における左右微分を比べ,ab=0 を得る。a=0 は条件に反するので b=0 と決まり,あとは f(0)=1,F(1)=0 から c,a を決める。
解答
f は連続であるから,F(x)=∫0xf(t)dt はすべての x で微分可能であり,F′(x)=f(x) である。
まず a=0 とすると F(x)=x2+cx である。このとき f(x)=2x+c であり,f(0)=1 から c=1 となる。しかし F(1)=1+c=2 となり,条件に反する。よって a=0 である。
次に b=0 と仮定する。h(x)=x∣x−b∣ とおくと,x<b では h(x)=bx−x2,x>b では h(x)=x2−bx である。したがって x=b における左微分係数は −b,右微分係数は b である。a=0,b=0 なら ah(x) の左右微分係数は一致しないので,F が x=b で微分可能であることに反する。したがって b=0 でなければならない。
よってF(x)=x2+ax∣x∣+cxである。x∣x∣ は微分可能で,その導関数は 2∣x∣ であるから
f(x)=F′(x)=2x+2a∣x∣+c
である。条件 f(0)=1 より c=1。また
F(1)=1+a+c=a+2
であるから,F(1)=0 より a=−2 である。
逆に a=−2,b=0,c=1 とすれば F(x)=x2−2x∣x∣+x で,得られた f は連続であり,F(1)=0,f(0)=1 も満たす。したがってf(x)=2x−4∣x∣+1である。すなわち
f(x)={6x+11−2x(x<0),(x≧0)
である。