大阪大学 2003年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- ベクトル、論証・証明
- 解法
- ベクトル成分計算、存在証明、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 18〜24分
問題
平面ベクトルp=(p1,p2),q=(q1,q2)に対して{p,q}=p1q2−p2q1と定める.
(1) 平面ベクトルa,b,cに対して
とするとき
が成り立つことを示せ.
(2) (1)でl,m,nがすべて正であるとする.このとき任意の平面ベクトルdは0以上の実数r,s,tを用いて
と表すことができることを示せ.
出典:大阪大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
(1) は記号 {p,q} が2次元の面積を表す交代的な式であることを踏まえ、まず成分で展開して2成分とも0になることを示す。(2) は l>0 から a,b が平行でないことを使って任意の d を xa+yb と表し、(1) の関係式で c を足す量を十分大きくして係数を非負に直す。
解答
(1)
a=(a1,a2),b=(b1,b2),c=(c1,c2)
とおく。このとき l=a1b2−a2b1,m=b1c2−b2c1,n=c1a2−c2a1 である。
まず第1成分を調べると
lc1+ma1+nb1=(a1b2−a2b1)c1+(b1c2−b2c1)a1+(c1a2−c2a1)b1=a1b2c1−a2b1c1+a1b1c2−a1b2c1+a2b1c1−a1b1c2=0.
同様に第2成分は
lc2+ma2+nb2=(a1b2−a2b1)c2+(b1c2−b2c1)a2+(c1a2−c2a1)b2=a1b2c2−a2b1c2+a2b1c2−a2b2c1+a2b2c1−a1b2c2=0.
したがって
が成り立つ。
(2)
l>0 であるから、{a,b}=0 であり、a,b は平行でない。よって任意の平面ベクトル d は、ある実数 x,y を用いて d=xa+yb と表せる。
また (1) より
であり、l>0 だから c=−lma−lnb である。ここで m/l>0、n/l>0 である。 t を十分大きい0以上の実数に取り、r=x+lmt≧0,s=y+lnt≧0 となるようにする。例えば t≧max(0,−mlx,−nly) とすればよい。このとき
ra+sb+tc=(x+lmt)a+(y+lnt)b+t(−lma−lnb)=xa+yb=d.
したがって、任意の d は0以上の実数 r,s,t を用いて
と表せる。