名古屋大学 2023年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数列、場合の数、数と式
- 解法
- 恒等式比較、二項定理、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12分
問題
nを正の整数とし,n次の整式Pn(x)=x(x+1)⋯(x+n−1)を展開してPn(x)=m=1∑nnBmxmと表す。
(1) 等式m=1∑nnBm=n!を示せ。
(2) 等式
Pn(x+1)=m=1∑n(nBm⋅mC0+nBm⋅mC1x+⋯+nBm⋅mCmxm)
を示せ。ただし,mC0,mC1,⋯,mCmは二項係数である。
(3) k=1,2,⋯,nに対して,等式j=k∑nnBj⋅jCk=n+1Bk+1を示せ。
出典:名古屋大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
(1) は係数和なので Pn(1) を計算する。(2) は Pn(x)=∑nBmxm に x+1 を代入し,二項定理で各 (x+1)m を展開する。(3) は(2)の xk の係数を左辺として読み取り,一方で Pn(x+1)=(x+1)(x+2)⋯(x+n)=Pn+1(x)/x と書いて右辺の係数を読む。次数が1つずれるため n+1Bk+1 になる点に注意する。
解答
(1)
Pn(x)=∑m=1nnBmxm に x=1 を代入すると Pn(1)=∑m=1nnBm である。一方,定義より Pn(1)=1⋅2⋅3⋯n=n! である。したがって ∑m=1nnBm=n! が成り立つ。
(2)
Pn(x)=∑m=1nnBmxm であるから,x を x+1 に置き換えると Pn(x+1)=∑m=1nnBm(x+1)m である。二項定理より (x+1)m=mC0+mC1x+⋯+mCmxm なので
Pn(x+1)=m=1∑nnBm(mC0+mC1x+⋯+mCmxm)
である。これは問題の等式そのものである。
(3)
(2)の右辺から xk の係数を読む。(x+1)j の中で xk の係数は,j≧k のとき jCk,j<k のとき0である。したがって xk の係数は ∑j=knnBj⋅jCk である。
一方,定義から Pn(x+1)=(x+1)(x+2)⋯(x+n) である。また Pn+1(x)=x(x+1)(x+2)⋯(x+n) だから Pn(x+1)=xPn+1(x) である。ここで Pn+1(x)=∑m=1n+1n+1Bmxm なので xPn+1(x)=∑m=1n+1n+1Bmxm−1 である。この式の xk の係数は,m−1=k,すなわち m=k+1 に対応する n+1Bk+1 である。
同じ整式 Pn(x+1) の xk の係数を比較して ∑j=knnBj⋅jCk=n+1Bk+1 を得る。