九州大学 1983年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、指数・対数、論証・証明
- 解法
- 式変形、微分による最大最小、不等式評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
tの関数x(t)とy(t)が,それぞれ微分方程式
dtdx=x,dtdy=−2y
を満たしている.このとき,次の(1),(2)に答えよ.
(1) 関数z(t)=x(t)+y(t)はt=log2で極値3をとる.z(t)を求めよ.
(2) (1)で求めたz(t)は,任意のs,tに対して
z(s)≧z(t)+(s−t)z′(t)
を満たすことを証明せよ.
出典:九州大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
微分方程式から x(t)=Aet、y(t)=Be−2t と表し、z(t)=Aet+Be−2t と置く。t=log2 で極値3をとることは、z(log2)=3 と z′(log2)=0 の二条件を意味するので、これで A,B を決める。(2)は z′′(t)>0 から z′ が単調に増加することを使い、接線との差を表す関数の最小値を調べる。
解答
(1)
dtdx=x を満たす関数は x(t)=Aet と書ける。また dtdy=−2y を満たす関数は y(t)=Be−2t と書ける。したがって z(t)=x(t)+y(t)=Aet+Be−2t である。 z(t) が t=log2 で極値3をとるから z(log2)=3,z′(log2)=0 である。まず elog2=2,e−2log2=41 なので 2A+41B=3. また z′(t)=Aet−2Be−2t であるから 2A−21B=0. 二つ目の式より B=4A. これを一つ目の式に代入すると 2A+A=3 であり、A=1,B=4. したがって z(t)=et+4e−2t である。
(2)
まず z′(t)=et−8e−2t,z′′(t)=et+16e−2t. 任意の実数 t について z′′(t)>0 であるから、z′(t) は単調に増加する。
固定した t に対して H(s)=z(s)−z(t)−(s−t)z′(t) とおく。示したい不等式は H(s)≧0 である。微分すると H′(s)=z′(s)−z′(t). z′ は単調に増加するので、s<t のとき H′(s)<0 であり、s>t のとき H′(s)>0 である。したがって H(s) は s=t で最小となる。さらに H(t)=z(t)−z(t)=0 であるから、すべての s,t について H(s)≧0. すなわち z(s)≧z(t)+(s−t)z′(t) が成り立つ。