京都大学 1999年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- ベクトル、図形と方程式
- 解法
- 座標設定、不等式評価、計算整理
- 難易度
- 4 / 10 計算量 3 / 10 目安 10分
問題
鋭角三角形△ABCにおいて,辺BCの中点をM,Aから辺BCにひいた垂線をAHとする.点Pを線分MH上に取るとき,AB2+AC2≧2AP2+BP2+CP2となることを示せ.
出典:京都大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
辺 BC を座標軸に置き、中点 M を原点にする。垂線の足 H は A と同じ x 座標をもつので、P は M と H の内分点として (λu,0) と表せる。あとは両辺の差を計算し、0≦λ≦1 から非負になる形へ整理する。別の見方として、アポロニウスの定理で AB2+AC2 と BP2+CP2 をそれぞれ中点 M からの距離に直し、直角三角形 AHM, AHP の関係から差を 4MP⋅PH にすることもできる。
解答
辺 BC の長さを 2a とし、M を原点、直線 BC を x 軸にとる。すると B=(−a,0),C=(a,0) とおける。A の座標を A=(u,h) とおくと、AH⊥BC より H=(u,0) である。点 P は線分 MH 上にあるから、ある実数 λ を用いて 0≦λ≦1,P=(λu,0) と書ける。
まず左辺を計算する。 AB2=(u+a)2+h2,AC2=(u−a)2+h2 であるから AB2+AC2=2u2+2a2+2h2 である。
次に右辺を計算する。 AP2=(u−λu)2+h2=(1−λ)2u2+h2 であり、また BP2=(λu+a)2,CP2=(λu−a)2 だから BP2+CP2=2λ2u2+2a2 である。したがって 2AP2+BP2+CP2=2(1−λ)2u2+2h2+2λ2u2+2a2 である。
よって両辺の差は AB2+AC2−(2AP2+BP2+CP2) =2u2+2a2+2h2−{2(1−λ)2u2+2h2+2λ2u2+2a2} =4λ(1−λ)u2 である。ここで 0≦λ≦1 だから 4λ(1−λ)u2≧0 である。したがって AB2+AC2≧2AP2+BP2+CP2 が成り立つ。
別解。中点 M に関するアポロニウスの定理を用いると AB2+AC2=2(AM2+BM2) であり、同様に BP2+CP2=2(PM2+BM2) である。したがって AB2+AC2−(2AP2+BP2+CP2)=2(AM2−PM2−AP2) となる。いま AH⊥BC で、M,P,H は一直線上にあり、しかも P は線分 MH 上にある。よって AM2=AH2+HM2,AP2=AH2+HP2 であるから AM2−PM2−AP2=HM2−PM2−HP2 である。HM=MP+PH より HM2−PM2−HP2=2MP⋅PH≧0 となり、同じ不等式が従う。