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京都大学 1994年度
文理共通数学 文系第1問・理系第1問

問題

は2行2列の行列で,とする.

(1) ならばとなる実数が存在することを示せ.

(2) が成り立つならば,が成り立つことを示せ.

(3) を満たす行列をすべて求めよ.

出典:京都大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第1問・理系第1問

方針

を成分でおいてを実際に掛け,等しい成分からの形を絞る。そこで得られるという表示を(2)と(3)の共通の土台にする。(2)では2つの行列をどちらもの式に直せば,積の順序を入れ替えても同じ式になる。(3)ではを先に求め,の係数との係数の2条件に分けて解く。最後に得た候補がすべて条件を満たすことも確認する。

解答

(1)

とおく。このとき

であり,

である。より成分を比べると を得る。ほかの成分の等式はこの2式から従う。

したがって

である。よってとすれば,と表せる。

(2)

(1)より,ある実数を用いて と書ける。は単位行列なので,である。よって であり,同じ計算で となる。右辺は一致するから である。

(3)

(1)より と書ける。まず

である。したがって より となる。

ここでは一次独立である。実際,なら,非対角成分から,さらに対角成分からである。よってとなるための条件は である。

第1式は である。 のとき,第2式よりなので である。 のとき,第2式より なので である。したがって を得る。

以上より求める行列は

である。これらは上のの4組から得られており,いずれもかつを満たす。