京都大学 1987年度
文理共通数学 文系第2問・理系第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系・理系共通
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数列
- 解法
- 漸化式の変形、計算整理、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 16分
問題
定数a,p,qに対して,次のようにxn,ynの列を作る.
(x1y1)=(pq),(xn+1yn+1)=(1−a−1+a−1−a−1+a)(xnyn)
(1) x2,y2,x3,y3を求めよ.
(2) 21<a<23のとき,n→∞limxn,n→∞limynを求めよ.
出典:京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第2問・理系第2問
方針
まず与えられた式を成分ごとの漸化式に直し、xn+2 と yn+2 を xn,yn で表す。直接代入すると xn+2=2(1−a)xn、yn+2=2(1−a)yn となり、2回ごとに同じ倍率がかかることが分かる。(1)は n=1 から2回分を計算し、(2)は ∣2(1−a)∣<1 により偶数番・奇数番の両方が0へ近づくことを示す。
解答
与えられた関係を成分で書くと xn+1=(1−a)xn−(1+a)yn および yn+1=(a−1)xn+(a−1)yn である。
(1)
x1=p,y1=q だから x2=(1−a)p−(1+a)q であり、y2=(a−1)p+(a−1)q=(a−1)(p+q) である。
次に、一般に2回進めた形を求めておく。まず
xn+2=(1−a)xn+1−(1+a)yn+1=(1−a){(1−a)xn−(1+a)yn}−(1+a){(a−1)xn+(a−1)yn}={(1−a)2+(1−a)(1+a)}xn=2(1−a)xn.
同様に
yn+2=(a−1)xn+1+(a−1)yn+1=(a−1){(1−a)xn−(1+a)yn}+(a−1){(a−1)xn+(a−1)yn}={−(a−1)2+(a−1)2}xn+{−(a−1)(1+a)+(a−1)2}yn=2(1−a)yn.
したがって x3=2(1−a)x1=2(1−a)p,y3=2(1−a)y1=2(1−a)q である。
(2)
上で得た関係より xn+2=rxn,yn+2=ryn,r=2(1−a) である。21<a<23 のとき −1<2(1−a)<1 すなわち ∣r∣<1 である。
したがって奇数番については x2k+1=rkp,y2k+1=rkq であり、k→∞ でどちらも0に近づく。また偶数番についても x2k=rk−1x2,y2k=rk−1y2 であり、これも0に近づく。よって limn→∞xn=0,limn→∞yn=0 である。