京都大学 1987年度
文理共通数学 文系第1問・理系第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系・理系共通
- 分野
- 数と式
- 解法
- 式変形、恒等式比較、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 15分
問題
xの3次式
f(x)=ax3+(a2+b)x2+(2ab+c)x+a2+b2−a
g(x)=ax3+(a2−b)x2+(a−1)x+c2−b2
およびxの2次式
h(x)=x2+ax+b
を考える.(a,b,cは定数,a=0)
f(x),g(x)はともにh(x)で割り切れるか,または,ともにh(x)では割り切れないかの,いずれかであることを示せ.
出典:京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第1問・理系第1問
方針
h(x)=x2+ax+b で割った余りだけを比較する。x2≡−ax−b と x3≡(a2−b)x+ab を用いると、f(x) の余りと g(x) の余りはいずれも1次式として計算できる。割り切れる条件は余りの x の係数と定数項がともに0になることなので、その条件が両方で同じになることを示す。
解答
h(x)=x2+ax+b で割った余りを調べる。h(x)=0 とみなして計算すれば x2≡−ax−b である。さらに
x3=x⋅x2≡x(−ax−b)=−ax2−bx≡−a(−ax−b)−bx=(a2−b)x+ab
である。
まず f(x) の余りを求める。
f(x)=ax3+(a2+b)x2+(2ab+c)x+a2+b2−a≡a{(a2−b)x+ab}+(a2+b)(−ax−b)+(2ab+c)x+a2+b2−a.
x の係数は a(a2−b)−a(a2+b)+2ab+c=c であり、定数項は a2b−b(a2+b)+a2+b2−a=a2−a である。したがって f(x) の余りは cx+a2−a である。よって f(x) が h(x) で割り切れる条件は c=0,a2−a=0 である。a=0 より、これは a=1,c=0 と同値である。
次に g(x) の余りを求める。
g(x)=ax3+(a2−b)x2+(a−1)x+c2−b2≡a{(a2−b)x+ab}+(a2−b)(−ax−b)+(a−1)x+c2−b2.
x の係数は a(a2−b)−a(a2−b)+a−1=a−1 であり、定数項は a2b−b(a2−b)+c2−b2=c2 である。したがって g(x) の余りは (a−1)x+c2 である。よって g(x) が h(x) で割り切れる条件は a−1=0,c2=0 すなわち a=1,c=0 である。
以上より、f(x) が h(x) で割り切れる条件と、g(x) が h(x) で割り切れる条件はどちらも a=1,c=0 で一致する。したがって、f(x),g(x) はともに h(x) で割り切れるか、またはともに h(x) では割り切れない。