北海道大学 2018年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、三角関数
- 解法
- 不等式評価、面積計算、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
2つの関数
f(x)=cosx,g(x)=2π2−x2−2π
がある。
(1) 0≦x≦2πのとき,不等式π2x≦sinxが成り立つことを示せ。
(2) 0≦x≦2πのとき,不等式g(x)≦f(x)が成り立つことを示せ。
(3) 0≦x≦2πの範囲において,2つの曲線y=f(x),y=g(x)およびy軸が囲む部分の面積を求めよ。
出典:北海道大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
(1)は h(x)=sinx−2x/π とおき、端点と導関数の符号変化から示すと、グラフの弦に頼らずに説明できる。(2)は H(x)=f(x)−g(x) とおき、H′(x)=−sinx+x/π2/2−x2 を評価する。(1)の下限評価と、平方根部分が π/2 以上であることを合わせると H′(x)≦0 となるので、H(π/2)=0 から H(x)≧0 を得る。(3)は f−g を積分し、平方根の積分は半径 π/2 の円の扇形と三角形の面積で求める。
解答
(1)
h(x)=sinx−π2x とおく。すると h(0)=0,h(2π)=0 である。また h′(x)=cosx−π2 である。cosx は 0≦x≦2π で単調に減少するので、h′(x) は一度だけ正から負へ変わる。したがって h(x) は、はじめ増加し、その後減少する。両端で0なので、区間全体で h(x)≧0 である。よって π2x≦sinx が成り立つ。
(2)
H(x)=f(x)−g(x)=cosx−2π2−x2+2π とおく。示すべきことは H(x)≧0 である。
微分すると H′(x)=−sinx+2π2−x2x である。0≦x≦2π では、(1)より sinx≧π2x である。また
2π2−x2≧2π2−4π2=4π2
なので 2π2−x2≧2π である。したがって 2π2−x2x≦π2x であり、H′(x)≦−π2x+π2x=0 となる。よって H(x) はこの区間で減少する。
さらに
H(2π)=cos2π−2π2−4π2+2π=0
である。H は減少するので、0≦x≦2π では H(x)≧H(2π)=0 である。したがって g(x)≦f(x) が成り立つ。
(3)
(2)より、求める面積は ∫0π/2{f(x)−g(x)}dx である。したがって
∫0π/2{f(x)−g(x)}dx=∫0π/2(cosx−2π2−x2+2π)dx=1+4π2−∫0π/22π2−x2dx
である。
ここで y=2π2−x2 は、原点中心・半径 2π の円の上半分である。0≦x≦2π に対応する中心角は arcsinπ/2π/2=4π である。したがってこの積分は、中心角 4π の扇形の面積と、直角三角形の面積の和で
∫0π/22π2−x2dx=21(2π)24π+21⋅2π⋅2π=16π3+8π2
である。
よって求める面積は
1+4π2−(16π3+8π2)=1+8π2−16π3
である。