横浜国立大学 2023年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理工・都市科学部
- 分野
- 微分、数列
- 解法
- 不等式評価、はさみうち、和の計算、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
関数f(x)=e−xを考える。次の問いに答えよ。
(1) 正の実数xに対して、以下の不等式を示せ。
1−x<f(x)<1−x+2x2
2以上の整数n,N(ただしN≧n)に対して
Sn,N=k=n∑Nk2−11f(k1)
とおく。
(2) 2以上の整数n,N(ただしN≧n)に対して、次の不等式を示せ。
n1−N+11<Sn,N<(n1−N+11)(1+2n(n−1)1)
(3) 各nに対して、極限値limN→∞Sn,Nは存在し、その極限値をSnとおく。S9の小数第3位まで(小数第4位切り捨て)を求めよ。
出典:横浜国立大学 2023年度 前期 理系 第5問
方針
(1)は補助関数を作って微分し、e−xを上下から評価する。(2)ではx=1/kを代入し、下側は1/(k(k+1))の和として望遠和にする。上側の余分な項は下側の各項に対して一様に小さいことを使う。(3)は(2)でN→∞としてS9を十分狭い範囲に挟む。
解答
(1)
g(x)=e−x−(1−x)とおくと、g(0)=0でありg′(x)=1−e−x>0である。よってx>0で1−x<e−xである。
次にh(x)=1−x+2x2−e−xとおく。h(0)=0であり、
h′(x)=−1+x+e−x,h′′(x)=1−e−x>0
である。h′(0)=0だからx>0でh′(x)>0、さらにh(x)>0である。したがって
e−x<1−x+2x2
である。
(2)
(1)にx=k1を代入し、k2−11を掛けると、下側は
k2−11−k1=k(k+1)1
である。よって
Sn,N>k=n∑Nk(k+1)1=n1−N+11
である。
上側については
k2−11(1−k1+2k21)=k(k+1)1+2k2(k2−1)1
である。またk≧nより
2k2(k2−1)1=k(k+1)1⋅2k(k−1)1≦k(k+1)1⋅2n(n−1)1
である。したがって求める上側の不等式も得る。
(3)
(2)よりSn,NはNについて上に有界であり、各項が正なので単調増加である。したがってlimN→∞Sn,Nは存在する。
n=9として(2)でN→∞とすると
91<S9<91(1+2⋅9⋅81)=1296145
である。すなわち0.111…<S9<0.111882…であるから、小数第4位を切り捨てて小数第3位まで求めると
S9=0.111
である。