問題
(1) 一般角に対して,の定義を述べよ。
(2) (1)で述べた定義にもとづき,一般角,に対して
を証明せよ。
出典:東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文科第1問・理科第1問
方針
一般角の三角関数は、単位円上の点の座標として定義するのが最も基本的である。正の向き、負の向き、何回転してもよいことを含めて、角 の動径と単位円の交点を と定める。(2)では、角 の方向の単位ベクトルと、それを反時計回りに 回した単位ベクトルを基底のように用いる。角 からさらに だけ回した単位ベクトルを 倍と 倍の和で表し、標準座標の成分を比較すれば、正弦・余弦の加法定理が同時に出る。
解答
(1)
座標平面に、原点 を中心とする半径1の円をとる。正の 軸を始線とし、反時計回りを正の向き、時計回りを負の向きとする。
一般角 について、正の 軸から角 だけ回転した半直線と単位円との交点を とする。この点 の座標を とするとき と定義する。すなわち、一般角 の余弦は単位円上の対応する点の 座標、正弦は 座標である。この定義では、 が負の角や をこえる角であっても、対応する半直線と単位円の交点が一意に定まるので、、 が定義される。
(2)
角 に対応する単位円上の点の位置ベクトルを とする。これは角 の方向を向く長さ1のベクトルである。また、 を反時計回りに 回転したベクトルを とおく。 も長さ1で、 と垂直である。
角 の方向を新しい基準方向と見たとき、そこからさらに角 だけ回した方向の単位ベクトルは、(1)の定義により で表される。この方向は、もとの座標平面では角 の方向である。したがって
である。
右辺を成分ごとに計算すると
である。よって成分を比較して を得る。これは一般角 に対して成り立つ。