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東京大学 1988年度
文理共通数学 文科第2問・理科第1問

問題

平面上の一次変換 が次の3条件をみたすとする。

(i) 点 により第4象限の内部にうつる。

(ii) 点 により第2象限の内部にうつる。

(iii) 点 により第1象限の内部にうつる。

このとき には逆変換が存在することを示せ。また,点 の像 が第1象限の内部にあれば,点 も第1象限の内部にあることを示せ。

出典:東京大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文科第2問・理科第1問

方針

一次変換を、基準ベクトル がどこへうつるかで表す。3つの象限条件は4つの成分の符号と2つの和の符号に直せる。行列式は正になるので逆変換が存在し、さらに逆変換の係数がすべて正であることから、第1象限内の点へうつった点のもとの座標も正であると分かる。

解答

がうつった先を 、点 がうつった先を とおく。一次変換なので、点 へうつる。

条件 (i) より は第4象限の内部にあるから である。条件 (ii) より は第2象限の内部にあるから である。さらに へうつるので、条件 (iii) より である。

この一次変換の行列式は である。 だけを見ると、 はどちらも正なので、差の符号はまだ決まらない。ここで条件 (iii) を使う。

実際、 と変形できる。いま であるから である。したがって となり、逆変換が存在する。

次に、 が第1象限の内部にある、すなわち とする。逆変換を成分で書くと である。すなわち である。ここで なので、 ならば である。つまり、 が第1象限の内部にあれば、点 も第1象限の内部にある。

別解。2つのベクトル はそれぞれ第4象限、第2象限にあり、和 は第1象限にある。この配置では、 から へ進む向きが反時計回りに正の面積を作る。したがって2つの基準ベクトルは同一直線上に並ばず、変換はつぶれない。この幾何的な見方を式にしたものが上の である。