問題
平面上の一次変換 が次の3条件をみたすとする。
(i) 点 は により第4象限の内部にうつる。
(ii) 点 は により第2象限の内部にうつる。
(iii) 点 は により第1象限の内部にうつる。
このとき には逆変換が存在することを示せ。また,点 の像 が第1象限の内部にあれば,点 も第1象限の内部にあることを示せ。
方針
一次変換を、基準ベクトル 、 がどこへうつるかで表す。3つの象限条件は4つの成分の符号と2つの和の符号に直せる。行列式は正になるので逆変換が存在し、さらに逆変換の係数がすべて正であることから、第1象限内の点へうつった点のもとの座標も正であると分かる。
解答
点 がうつった先を 、点 がうつった先を とおく。一次変換なので、点 は へうつる。
条件 (i) より は第4象限の内部にあるから である。条件 (ii) より は第2象限の内部にあるから である。さらに は へうつるので、条件 (iii) より である。
この一次変換の行列式は である。、、、 だけを見ると、 と はどちらも正なので、差の符号はまだ決まらない。ここで条件 (iii) を使う。
実際、 と変形できる。いま であるから である。したがって となり、逆変換が存在する。
次に、 が第1象限の内部にある、すなわち とする。逆変換を成分で書くと である。すなわち である。ここで なので、、 ならば である。つまり、 が第1象限の内部にあれば、点 も第1象限の内部にある。
別解。2つのベクトル 、 はそれぞれ第4象限、第2象限にあり、和 は第1象限にある。この配置では、 から へ進む向きが反時計回りに正の面積を作る。したがって2つの基準ベクトルは同一直線上に並ばず、変換はつぶれない。この幾何的な見方を式にしたものが上の である。